ついに20日に最終回を迎える、ドラマ『下町ロケット』(TBS系)の舞台である『佃製作所』。小さな町工場だが、世界に誇れる技術、物作りへの情熱を持ち、ロケットエンジンバルブや人工弁を開発した。そんな町工場が日本にはまだまだある。
創業1947年の東京都・大田区にある北嶋絞製作所(従業員20名)は、H-IIロケット試験機1号機に部品提供した。へらを使って1枚の板を曲げてゆく“へら絞り”という技術を使ってロケットのサブ燃料タンクの先端とエンジン部分を手掛けたのだ。
「ロケットの部品以外にも鍋、照明器具から、大きいものだと国立天文台で使われるパラボラアンテナも作ります」(代表取締役・北嶋貴弘さん)
ちなみに、パラボラアンテナは2mを超えるものでも、ベテランの職人が手掛ければ30分で完成するという。創業から営業担当なしでやってきた。
「“作るのが難しいものでも北嶋に持っていけばやってくれる”という自信があるから技術の安売りはしません。どうしてもコストに見合わないものであれば、こちらからお断りすることもあります」(北嶋さん)
この職人魂こそが日本の技術を支えている。
撮影■浅野剛
※女性セブン2015年1月1日号