中国の習近平国家主席がロシアのメドベージェフ首相と一緒に訪問した浙江省烏鎮の箸販売の老舗に客が殺到し、翌日の午前中だけで、通常の1日の3倍もの売り上げを上げたことが話題になっている。習主席が庶民性をアピールして、人気取りを狙ったとの見方も出ている。中国メディアが報じた。
習氏は12月15日、翌日開幕する「世界インターネット大会」に出席するため、烏鎮入り。メドベージェフ氏らロシア政府代表団も烏鎮を訪れ、習氏らと会談した。
会議や晩さん会を終えた習氏が15日、メドベージェフ氏をねぎらうために、ホテルの近くにある箸の老舗専門店に案内。
習氏は「箸は中国が発明したもので、いろいろな種類があります。この店にはほとんどそろっていますよ」などと説明。
メドベージェフ氏も「ロシアでもいまでは箸を使う人が多くなっています。私も時々使いますよ」などと応じたという。このような2人で顔をほころばせながら箸談義を交わした様子は同日夜、テレビニュースで報じられた。
この店の従業員によると、翌朝8時に開店するや、多数の客が押し寄せ、「習近平主席が触った箸はどこ?」とか「メドベージェフ首相と同じものは?」などと騒いで、次々と箸が売れていったという。
この日は午前8時から11時までの3時間だけで、「いつもの1日の売り上げの3倍も箸が売れました」と女性店員は笑いが止まらないような様子で語っていたという。
女性店員は「こんなに売れたことは最近ない。これの習大大(おじさん)のおかげです。いつもテレビで見ていると、結構気難しそうにみえますが、実際に会ってみると、本当にやさしい気の良い庶民的なおじさんでしたよ」と習氏の印象を語っていた。
習氏は2年前の2013年末に北京の肉まんのチェーン店をお忍びで訪れ、21元(約400円)の肉まんセットを注文し、他の客とともに店内で食べたことが話題になった。この店はいまでも「習氏が来た店」として有名で、昨年10月1日から1週間の国慶節(建国記念日)の大型連休の際、チェーン店全体で肉まんが1200万個も売れたことが分かっている。
「今回も庶民性をアピールする同じようなパフォーマンスだ。本当に習近平は芝居がうまい」などとの書き込みがネット上でみられている。