思い出されるのはスキャンダルで弱体化させられた9年前の第1次安倍政権末期だ。当時、総務大臣だった菅氏は官房長官就任が有力視されていたが、内閣改造直前に突然、事務所費問題が報じられて退任に追い込まれた経緯がある。しかもそうしたスキャンダルの発信源の多くは霞が関だったといわれる。
野党への根回しも怠りない。民主党国対幹部は、「自民党税調メンバーがうちの幹部に、“(消費税増税の)3党合意を踏みにじる菅のやり方を許すべきじゃない”とハッパをかけてきた。もちろんそのつもりだ」と手ぐすねを引いている。だが、当の菅氏は座して死を待つタマではない。
「ケンカなら菅さんの方が上手。党内の不満分子や財務省の蠢動をとっくにつかんでおり、最後は安倍総理に“谷垣か、自分か、どっちを取るか”と迫って谷垣幹事長や財務次官のクビを飛ばす粛清の絵図面を描いている」(菅側近)
自民党「春の陣」は大波乱になる。
※週刊ポスト2016年1月1・8日号