忙しい毎日の中で、夢や目標は後回しとなりがち。しかし、「いつかは…」と思っているうちにタイミングを逃して、手遅れになることもまた多い。60才以上の先輩たちに聞いた「人生でやっておいてよかったこと」、「やっておけばよかったこと」を紹介する。
東京都の67才主婦は、同窓会に出席したかったと話す。
「高校卒業後に上京して、子育てなどが原因で、一回も同窓会に出席しませんでした。すると最近、友人たちの訃報が届くようになりました。好きだった人やけんかした友達も、大人になった顔を知らないまま、この世を去ってしまいました」(東京都・67才・主婦)
夫婦の時間も同じである。これもやっておけばよかったことだ。
「50代の頃に、子供たちから夫婦ふたりきりの旅行を勧められたんですが、後回しにしていたんです。3年前に夫が急死してしまい、老後の楽しみにとっておいた旅行ができなくなりました。夫婦旅行はできるうちに無理にでも行っておいたほうがよかったと後悔しています」(神奈川県・65才・主婦)
一方、東海林のり子さん(81才)は、芸能事件レポーターとして現場を走り回っていたため、50代まで、家庭や将来について考える余裕はなかったと振り返る。
「60代になって、いざ仕事が一段落すると、何をしていいかわからず空虚な気持ちになることがありました。ほかの同年代の友達もお子さんが自立したのが原因で、同じ気持ちになっていました。これから先、自分にどんなことが起こるのか、マイナス面も含めてしっかり考えて準備しておくこと。元気な50代までのうちにシミュレーションしておきましょう」(東海林さん)
また、タニタ社員食堂を立ち上げた管理栄養士の後藤恭子さん(72才)は、30代から地域の公民館などで、高齢者に栄養の話をしながら、食事を提供するボランティアを続けている。こちらはやっておいてよかったことだ。
「食事を通して世の中に恩返しがしたいと思って、月に1回のペースで開催しています。ひとり暮らしの高齢者に話していく中で、人に優しくなれました」(後藤さん)
※女性セブン2016年1月7・14日号