そもそも誰にも知られないようにこっそりやるのが「浮気」というもの。しかし、最近はそうでもなくなってきているという。30年以上前から探偵業に携わる、鈴木謙一さん(仮名)は、こう話す。
「私の感覚でいうと、昔に比べて浮気に対する罪悪感が少なくなっているように思います。浮気数なんて調べたこともありませんし、みんなが本当のことを言うわけではないので、正確な浮気数なんてそもそも誰にもわからないと思いますが、私の感覚だと増えています」
昔は金銭的余裕がないと浮気は成り立たなかったが、女性が経済的にも精神的にも、そして性的にも自立したことで、必ずしも「金」は必要条件にはなっていない。
割り勘でラブホに行って、ファミレスでご飯を食べて、決して浮気にのめりこまず、体の関係だけであることを互いに合意して…という浮気が増えている。
「私が20代前半でこの仕事を始めた頃の30代、40代の女性、今でいう、60代、70代の女性たちは、調査会社に来ても、“私が夫の浮気の事実を知っていればいい。そこから先は耐えます”というかたが多かった。白か黒か確かめて、あとは自分の胸にしまっておくんです。
でも今の30代、40代の女性はそうじゃありません。調査で夫の浮気がわかったら、“私も浮気をします!”“今から弁護士に相談します”“慰謝料をがっぽりもらって離婚します”とすぐにチャンネルを切り替える。そもそも調査を依頼する前に、夫にGPSをつけてすでに尾行は終わっていたり、友達に張り込んでもらったりしていて、今の女性たちは本当に強いと思います」(鈴木さん)
※女性セブン2016年1月7・14日号