中国湖南省などの地方政府幹部の間で覚せい剤が蔓延しており、覚せい剤を使っての乱交パーティや賭博が日常化していることが明らかになった。中国国営新華社通信が発行する時事問題専門誌「半月談」が報じた。
習近平国家主席は12月中旬、中国共産党幹部養成機関である中央党校で重要講話を発表し、「北京や各地の党校は指導者・幹部の骨を太くし、根本を固めるという重要な任務を負っている」などと語った。そのうえで、幹部の不正や腐敗をしっかりと質していかなければならないと強調しているが、背景には最近の党幹部の規律違反の増加があるとみられる。
同誌によると、湖南省では今年に入って、幹部ら100人以上が覚せい剤などの濫用容疑で逮捕された。その後の調査で、ホテルや自宅などで、幹部仲間らと覚せい剤を濫用し、売春婦などを呼んで、乱交パーティに興じるなどの「不純行為」が発覚したという。
また、マージャンなどの賭博行為も盛んで、業者から幹部への事実上のわいろの授受が頻繁に行われていたことも明らかになっている。これは湖南省だけにとどまらず、雲南省、四川省でも同様の行為が行われていたことが分かっており、党中央指導部は幹部の質の劣化に強い危機感を抱いているという。
これを裏付けるように、習氏は北京で行われた全国党校活動会議で、「小康(ややゆとりのある)社会の全面的完成という奮闘目標を実現し、中華民族の偉大なる復興という中国の夢を実現するうえで要となるのは、鉄のような信条と信念、規律、責任感を持った幹部を育成することだ」と強調した。
さらに「党校は、党の利益を第一に考えるという基本的原則を堅持し、幹部の教育・育成を重視し、新たな情勢における党学校の活動を着実に実施していかなければならない」と述べて、不正や腐敗の蔓延を厳しく取り締まる方針を確認した。
北京紙「京華時報」は「党の権威人士」の話として、「今後は党幹部の成績の評価体系をしっかりと整備し、責任追及を厳しくし、幹部の昇進や降格を厳格に推進していく」と報じており、中央指導部が地方の幹部の腐敗や堕落に厳しく対処していく方針を決めたことを明らかにしている。