投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が12月28日~1月8日のドル・円相場の見通しを解説する。
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12月28日-1月8日週のドルは底堅い展開か。年末年始を挟みやや緩慢な値動きとなりそうだが、2016年以降の米利上げが意識され、ドル買い基調が続く見通し。28日の11月鉱工業生産(日本)が10月実績の前月比+1.4%を下回った場合でも日本銀行による追加金融緩和への期待が高まる可能性は低いとみられる。
ただ、来月上旬に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録や米12月雇用統計に対する市場の関心は高い。議事録にタカ派的な意見が多く含まれていた場合や12月雇用統計が予想を上回った場合は、ドル買いが強まる見通し。ただし、雇用統計などの有力な経済指標が市場予想を下回った場合、年4回の利上げに対する市場の期待はやや後退し、ドル売りが強まる可能性がある。
【日:11月鉱工業生産】(28日発表予定)
11月鉱工業生産・速報値は前月比-0.5%と予想されている。前回の+1.4%を下回った場合には日銀による追加金融緩和への期待が一部にあるが、早期の緩和措置は困難というのが市場コンセンサスのため、円売りには振れにくい見通し。
【米:FOMC議事録】(1月6日公表予定)
米連邦準備制度理事会(FRB)が9年半ぶりの利上げを決定した12月15-16日開催のFOMC議事録では、利上げに慎重なメンバーの意見に注目したい。2016年以降の利上げペースは緩やかとなる見通しだが、議事録が市場コンセンサスの年4回の利上げを想起させる内容ならば、ドル買いに振れやすい。
【米:12月雇用統計】(1月8日発表予定)
12月の非農業部門雇用者数(前月比)は、前月比+20.0万人と予想されている。市場予想を大きく下回らなければドル売りが強まることはないとみられる。ただし、賃金上昇率が鈍化した場合、利上げペースは鈍化するとの思惑が浮上し、ドルの上値はやや重くなる見通し。
12月28日-1月8日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。