関東の大学がしのぎを削る箱根駅伝で、各校のエースが集うのが「花の2区」。鶴見~戸塚を走るこの区間の見どころはどこなのか? 日本で最もマニアックな陸上長距離専門ウェブメディア「駅伝ニュース」の主宰者・公園橋博士が、2区の見どころを、日本テレビ系列での放送予想時刻とともに紹介する。(放送予想時刻はあくまで目安であり、前後する場合がある)
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【1月2日 9:04】「鶴見中継所」
◆2区(23.1km)
・コースDATA/各校のエースが集う“花の2区”。15km付近から続く権太坂の上りと最後2kmの上り坂が勝負所。
・区間記録/M.J.モグス 1時間6分4秒(山梨学院大・2009年)
【1月2日 9:48】 「権太坂の見せ場は『給水』にあり」
「給水」はドラマの宝庫だ。メンバーに入れなかった部員がボトルを渡す時に延々並走しながら言葉をかける。権太坂には各校のエースに縁のある給水要員が配される。
2013年、東海大の絶対的エース・村澤明伸(当時4年、現日清食品グループ)は、ボトルを「渡す側」に回った。3年連続2区を任されていた村澤はこの年、故障に泣いた。それが響いてチームは予選敗退。
同期の準エース早川翼(現トヨタ自動車)が学連選抜に入り2区を走った。早川への給水を志願した村澤は100m近くの距離、完全に歩幅まで合わせる美しい並走を見せ、現場に居合わせた幸せに私は体が震えた。
【1月2日 10:13】「瞬間最高視聴率! 謎の看板『タックルベリー』」
2区のエースたちが最後の力を振り絞って戸塚中継所に飛び込んでくる。3区走者に襷(たすき)を渡す瞬間、画面に必ず映るのがド派手な黄色い「タックルベリー」と書かれた看板だ。
これは釣り具販売チェーン店の看板。店舗名は「戸塚中継店」なので、箱根の中継カメラを意識しているのは間違いない。この時間帯は視聴率30%超になることも。襷リレーのたびに必ず映るこの看板の宣伝効果は計り知れない。
※週刊ポスト2016年1月1・8日号