違法合法にかかわらず、高齢者を狙った勧誘があとを絶たない。家族が悪徳商法の手口を知り、親を見守ることがいちばんの対策。遠距離ならば、日々の様子を知るために電話でこまめに声がけを。
多い勧誘として、利殖勧誘事犯がある。手持ちの資金を少しでも増やしたいという願望につけ込み、「社債」「未公開株」などの投資話を装い、「絶対に儲かる」などと嘘をつき出資金をだまし取る。
また、点検商法にも要注意。住宅の無料点検を装って訪問し、「柱にヒビが入っていて危険」「水道管の中が錆びているので水を飲むと病気になる」などと嘘を言い、必要のない工事を施工したり、浄水器などを売りつけたりする。
なかには、送りつけ商法と呼ばれる大胆な手口も。代金引換サービス(販売者から依頼を受け、商品の引き渡し時に配送業者が購入者から代金を受け取る)などを利用して、健康食品などを一方的に送りつけ、購入させてしまう。
高齢者の弱みに付け込んで高圧的な態度で売りつける、押し付け商法も問題となっている。高額な商品や不要な商品を販売するため、家に上がりこんで長時間居座ったり、大声で脅かして、高額な羽毛ぶとんや消火器などを無理やり売りつける。
これらの高齢者を狙った悪徳商法を目の当たりにした被害者に話をきいた。50代女性・Aさんは実家帰省時に母親が被害にあったことに気づいたという。
「久々に帰省すると、玄関や床の間に飾ってあった、壺や掛け軸がありません。ひとり暮らしの母親に聞くと、『親切な人が来て、高値で買い取ってくれた』とうれしそう。聞けば着物から骨董まで一切合財を12万円で引き取っていったというのです。
冗談じゃない、掛け軸だけで100万円はくだらない代物です。聞けば、文句が出にくい微妙な金額で高額商品を引き取る手口が横行しているそう。連絡先もわからず、どうしようもありませんでした」
さらに、認知症の父への銀行員の勧誘に憤りを覚えている50代女性・Bさん。なにがあったのか…?
「父親から『預金を下ろせない』という相談を受け、預金通帳を見ると、残高が1万円余りしかない。調べると、通帳にあった200万円が定期預金に。少し認知症が始まっている父は、銀行の窓口ですすめられ、意味もわからず定期にしてしまったのです。
すぐ普通預金に戻しましたが、その途端、今度は別の行員が別の定期をすすめてきました。支店長を呼び出し、『二度とうちの父のお金には手を出さないよう、全行員に通達して!』と怒鳴りました」
※女性セブン2015年1月7・14日号