SNS時代の浮気調査に変化が見られるという。年代によっても浮気に対する認識は異なり、今の60代、70代の女性たちが30代、40代の頃は、浮気の事実を知っても自分の胸にしまっておく人が多かった。一方で、今の30代、40代の女性は、浮気がわかったら“自分も浮気をする”“慰謝料をがっぽりもらって離婚する”などと、チャンネルをすぐに切り替える例が多いという。
この浮気調査、以前は、依頼者の9割が女性だった。しかし最近は夫からの依頼が半数になっているという。30年以上前から探偵業に携わるこの道のプロ、鈴木謙一さん(仮名)はこう語る。
「男性は最初は“浮気が確定したら離婚します”という勢いでくるのですが、メンタルが弱いですね。奥さんの浮気写真は、すべてお見せするんですが、もちろんそこには路チュー現場とかもあるんですよ。それを見たら男性は、“ちょっといいですか”なんていって、人目も憚らず泣き出します。女性のリアクションを考えると非常に弱いですね」(鈴木さん)
またSNS時代ゆえの調査依頼も出てきた。夫の両親が嫁の浮気調査のために調査会社に駆け込むというのだ。
「母親が、嫁が子育てを手抜きしているんじゃないかと感じている時に、息子が“嫁から暴言を吐かれた”“もしかしたら浮気してるかも”と泣きついてきて、こちらへいらっしゃることは珍しくないんですよ。
以前も、親御さんから、“息子の嫁を調査してほしい”という依頼がありました。親御さんは60代くらいなのですが、お嫁さんは31才で、彼女のフェイスブックを見て、“これはなんだ”となったようなんです。実際私も見せてもらったのですが、コスプレしたり、卑猥な内容が綴られていました。早い話が、嫁に不信感を持ったので調べてほしいということなんです」(鈴木さん)
鈴木さんの感覚でいうと、浮気は増えているのに、浮気調査の依頼数は減ってきている。それは「人間関係がドライになったことに関係している」と分析する。
「白黒つけたくて調査依頼する場合、相手に何かしらの愛情があるんです。でも、ちょっとした浮気の証拠があると、その時点で夫婦関係が破綻することが多くなっています。怪しいメールを見ただけで、もう、無理! となる。ドライになったので、簡単に離婚となるわけです。
一方で、この世の中には知らなくてもいいことがたくさんあります。さらに、知りたいという欲求もまた人間本来の姿。人間、そんな簡単に割り切れないので難しい選択ですが、私なら…浮気調査は頼まないですけどね…」
※女性セブン2016年1月7・14日号