とはいえ民泊のニーズは高いのもまた事実。トラブルになりがちな個人営業も多い民泊ゆえに、以下のような厳格なルールづくりが必要だ。
【事業者認定】
・物件の不動産登記簿謄本、転貸を可とする不動産賃貸契約書き写しの提出
・管理規約や管理組合の承諾書の添付(マンション)
・各種法令、行政のガイドラインをクリアした宿泊約款の作成・提出
・認定マークの表示
【更新制の適用】
・宿泊者名簿の備え付け・保存がなされているか
・営業報告書の提出
・確定申告書控えの提出
【その他】
・保険会社による民泊事業者向け保険商品の提供(加入事業者はマークが使えるなど)
認定マークや事業者マークなど、発達したソーシャルメディアがその広がりに寄与している民泊ならではの“利用者が目に見える安心感”が必要だ。
一方、無届け営業には迅速な行政指導や各種法令の罰則を厳格適用するなど、合法業者と違法業者をはっきり区別し、違法業者が排除されるシステム作りが求められる。
観光立国を謳う実情の一面ともいえる民泊問題。法令の整備、規制緩和の動きはあるが、住民の抵抗など実態は極めてシュールだ。日本人の慣習に合った民泊が根付くかが試されている。
利用者はもちろんのこと、住民の生命、財産、生活一般の安全がないがしろにされる観光立国であってはならない。