発明家として知られるドクター・中松氏(87)の余命が、2015年いっぱいで尽きる──そんな衝撃的な情報が本誌編集部に寄せられたのは、2015年12月初旬のこと。2014年の初めに専門医から「悪性の導管がんに体を蝕まれており2015年一杯の命」と宣告されたという。
これまで、底が板バネになっている「フライングシューズ」や、北朝鮮からのミサイルをUターンさせるという「DND(ドクター中松ディフェンス)」といった奇抜な発明で世間の注目を集めてきたが、さすがに余命を延ばす発明はできなかったのか。本誌は12月中旬、中松博士を緊急インタビューした。
取材場所に訪れた中松博士は車いすを押されての登場ではあったものの、自ら立ち上がってコートを脱ぎ、ソファに腰かけた。背筋は伸びており、とても87歳には見えない。
──お元気そうですね。
「そりゃあ元気ですよ。余命は12月31日まで。その前に死んだら困るでしょう」
──余命が刻一刻と迫っています。
「この2年間、自分自身を治すために全力でがん対策の発明に当たりました。そしてその発明は完成した。『がん治療』という、前人未踏の発明テーマをいただき、そして完成させられたことは発明家冥利に尽きる」
──エッ、がんの治療法を発明したのですか。
「免疫力を高める20種の薬草などが入った『トゥエンティー』はその一部です。素材が20(トゥエンティー)種類入っていることと、お茶のティーがかかっていて……(その後約1時間かけて発明品の説明が続いたが割愛)。
しかし、国内外のテレビ局は私の発明が失敗だとでも思っているのか、大晦日から2016年元日にかけて密着取材するといっている。人の死を待つなんていかがなものかね(と憤慨)」
──ご自身が発明した「がん治療」の成果は?
「それは2016年の元日にならないとわかりません。私が来年になっても生きていたら、数々の発明は成功だったということでしょう」
──もし2016年も存命だったら何をしたい?
「6月26日、私の88歳の誕生日に復活祭をやりたい」
復活祭が楽しみだ。
※週刊ポスト2016年1月15・22日号