日本の正月の大きな楽しみともいえる箱根駅伝。地元箱根町は選手のことも、それを応援する観客のことも快く受け入れ、大会を支える、それは、宿泊施設も同じ思いだ。温泉街・箱根にあるホテルや旅館は、1月2~3日の予約が1年前からすでにいっぱいだという。
「駅伝のある2日と3日は戦争です。ある大学が定宿にしている旅館は、駅伝を見に来る一般のお客さんも多い。やることといえば、“山のよう”という比喩ではとても足りません。2つの大学を受け入れる時はライバルだから一緒にならないよう、階数を分けて食事の部屋も別々。専門の栄養士をつけているので、料理は栄養士の指導通りに作っているそうです。それとは別に、もちろん一般のお客様のも用意しなければいけません」(ホテル関係者)
3日の復路の朝は早い。選手たちは朝の3時半には出発する。すなわち、それまでに朝食をすませなければいけないということ。
「出発の1時間前にはできていないといけない。とにかく、普通のお客さんとは動く時間が全然違うんですよ。2日の日は、夕方5時には就寝して、翌日の午前1時過ぎ頃に起床します。そのスケジュールで動いていたら、旅館側は寝る時間どころか、トイレにいく時間をとるのも大変。
3日の朝に送り出しても、今度は一般のお客様の朝ご飯の仕度があります。箱根の宿泊施設で働いていると、“駅伝はテレビで見るのがいちばん!”と思いますよ。でもね、噴火報道があっても、学校や常連さんからキャンセルはなかった。どこか不安だったけど、だから大丈夫と思えたんです」(前出・ホテル関係者)
例年、“神”が生まれる箱根の山登りの5区。そのコースにある、ホテル小涌園前には大勢の人が詰めかけ、中継の名所にもなっている。ホテルのスタッフたちも沿道から選手に温かいエールを送る。
※女性セブン2016年1月21日号