歴代最低視聴率を記録した昨年のNHK紅白歌合戦。内容のマンネリ化、目玉不足、ベテラン勢の冷遇などさまざまな低迷の理由が指摘されている。紅白はこのまま衰退していまうのか? コラムニストのペリー荻野さんが独自の視点で昨年末の紅白を振り返る。
* * *
そんなわけで、昨年大晦日に放送された紅白歌合戦。初手から郷ひろみが還暦とは思えないパワーでジャパーン!!を連呼し、伍代夏子が持ち歌をあえて歌わず「東京五輪音頭」で場を盛り上げた根性に感動。あとは乃木坂46やらNMB48やらやたら団体さんがいっぱいで目がチカチカ。
AKB48に前田敦子、大島優子サプライズ参加で高橋みなみ渾身のイリュージョンも吹き飛んだようなあなどと思いつつ、「まあ、いつまでも若い女の子が歌い踊れる世の中であってほしいものよ」などとのんきに観ていたのだが、先日発表された平均視聴率は第一部が関東地区で34.8%、第二部39.2%。第二部は関東地区では二部制に別れた1989年以降、最低を記録。このコラムでは出場者発表直後に2013年の『あまちゃん』、2014年の『アナ雪』に匹敵する目玉不足を心配していたが、痛い結果となってしまった。そこで今回は、なぜこのような事態になったのか? 勝手に反省会をしてみたいと思う。
反省その1、審査員に五郎丸を獲得できなかった。なんといっても昨年の顔といえばこの人だったが、肝心の本人は同時刻TBSの『史上最大の極限バトルKYOKUGEN2015』に初参戦。「最強キッカー頂上対決五郎丸VS遠藤! 幅50センチ極狭ゴール通せるか!?」てなことをしていたのである。そこで紅白では、氷川きよしが威勢のいい『男花』を歌う際に、赤白のユニフォーム姿の男子を舞台上にずらりと投入。その数実に100人以上!! 応援団の名前が「百四十五郎丸ダンサーズ」なので正確には百四十五人?の五郎丸風男子が例のポーズをとり、濃紺のマントをたなびかせて熱唱するきよしを取り囲むというとてつもない図になったのだった。