日本人の平均寿命は女性86.83才と3年連続世界1位(2014年 厚生労働省調べ)。でも、せっかく長生きしても、元気でなくちゃ意味がない。オーバー70の現役医師たちが実際にやっていて、簡単にマネできる健康法を聞いた。
最も大切なのは、体の資本となる食事。食材の選び方はもちろん、摂り方にも独自の工夫があった。まずは、更年期治療や乳がんの早期発見啓蒙活動など、女性の診療に力を注ぐ婦人科医の野末悦子医師(83才)の食生活を紹介。
「筋肉のもとになるたんぱく質は、主に豆腐で摂ります。そのまま食べたり、おみそ汁に入れたり、飽きずに毎日食べられるでしょ」。
週に1回、国産大豆にこだわった豆腐店で大豆製品をまとめ買いしている。
「麻婆豆腐には、すりおろしたりんごを入れています。消化もよく、抗酸化作用もあります。砂糖より果物で甘みを整えたほうが、カロリーも抑えられて健康的です」
長寿で有名な黒海やカスピ海に挟まれたコーカサス地方発祥のカスピ海ヨーグルトを家庭で作り、毎日食べている。
「上澄み液の『ホエイ』は高たんぱくで低脂肪。美肌効果もあるので、おみそ汁に入れます」
市販のヨーグルトでも、冷蔵庫に入れて一晩置くと上澄み液ができる。
「うなぎはビタミンB群が豊富で疲労回復の効果があります。抗酸化作用もあるので老化防止にいい。また、骨をカリカリに揚げた骨せんべいは、カルシウムが豊富なので、おやつ代わりに常備しています」
だしを摂って薄味に。
「“だしをしっかりとれば、素材のうまみを感じるから薄味でもおいしい”と、故・鈴木その子さんに教えてもらいました。だしが効いているので、みそやしょうゆは少なめでOK。自然と減塩できます」
続いては、医師歴72年。沖縄で開業し、現在週5日、毎日50人以上を診察。89才で末期の肝臓がんも克服した、あかみちクリニック院長の田中旨夫医師(97才)の健康法とは?
野菜にはがんや高血圧、脳卒中、心筋梗塞を予防するビタミンやミネラル、食物繊維、ポリフェノールなどの栄養素が豊富。
「野菜の成分はそれぞれ違うので、栄養素を壊さないよう低温で煮たり、ココナッツオイルで炒めたりして、1日15種類以上摂るようにしましょう」
ヨーグルトに含まれる乳酸菌には整腸作用があり、免疫力を強化する働きがある。
「ヨーグルトは冷蔵庫で冷やすと乳酸菌の活動が低下してしまいます。常温に戻してから食べるといいですよ」。
特製スムージーにはオリーブ油を1杯プラス。
「ゴーヤーやトマト、ほうれん草や、庭で採れたよもぎ、あしたば、青パパイヤなど10種類以上の野菜を低温で加熱してから、ミキサーにかけます。スムージーにすれば消化吸収がよく、多くの野菜を効率よく一度に摂れます。さらに整腸作用のあるオリーブ油を1杯加え、私はこれで便秘知らず」
※女性セブン2016年1月21日号