今年度の企業の採用活動は活発という。そのなかで「エレオク」という言葉も生まれた。どう意味か。千葉商科大学国際教養学部専任講師の常見陽平氏が解説する。
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就活生の間で「エレオク」という言葉が流行り始めています。面接などのあとに、エレベーターまで送ってもらう行為のことです。これは売り手市場化の影響とも言えますし、学生を判断する材料を少しでも手に入れたい企業の意地らしい努力とも言えます。
まず現在の大学3年生を対象とした2017年度の就活の見通しについてご紹介します。2017年度は3月に会社説明会など採用広報活動が始まり、6月に面接などの選考が開始されます。今年も就活時期が見直され混乱の可能性は高く、すでにフライングやスレスレの行為をしている企業も見かけます。ただ、求人数に関しては昨年度に続き、売り手市場になりそうです。
リクルートワークス研究所が2015年12月17日に発表した「ワークス採用見通し調査(新卒:2017年)」によると、民間企業の2017年卒の大学生・大学院生新卒採用の見通しは「増える」が13.4%、「減る」が4.2%と、「増える」が「減る」を9.2ポイント上回っておりました。売り手市場化が顕著となった2016年卒の「増える」と「減る」の差は8.7ポイントでした。採用意欲の高まりが感じられます。
このような売り手市場の局面では、企業は学生に選んでもらうためにあの手この手の努力をします。豪華なホテルで会社説明会をする、選考通過のたびにメールではなく電話で結果を伝えラブコールを送る、豪華な内定者懇親会や内定者拘束旅行を用意するなどです。
「エレオク」もその手法の一つです。学生に対して、ちゃんと丁寧に接している、一人の大人として扱っているというアピールです。有名企業の人事がわざわざエレベーターまで送ってくれるのですから、学生は感激し、その企業への印象がよくなるわけです。