投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の1月4日~1月8日の動きを振り返りつつ、1月12日~1月15日の相場見通しを解説する。
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2016年相場は波乱のスタートとなり、日経平均は大発会から5日続落で下落幅は最大で1500円を超える場面もみられた。中国の2015年12月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が低調だったのを受けて中国・上海指数が大幅安に。これを受けて、リスク資産を圧縮する流れが強まった。
中国人民銀行が人民元の基準値を元安水準で設定したことを受け、中国経済への懸念が広がり、上海指数はサーキットブレーカー発動を交えての下げとなり、為替市場では一時1ドル117円台に突入。また、サウジアラビアとイランの緊張による地政学リスクへの警戒、さらに北朝鮮の水爆実験の発表などが相次ぎ、リスクオフの流れが強まった。これにより、昨年末から活発だった個人主体のテーマ株物色も次第に利益確定の流れが優勢となった。
中国では株価の急な変動を防ぐために導入されたばかりの「サーキットブレーカー」制度が、逆に株価の下落を助長しているとして、急きょ停止された。引き続きこの制度の停止により、市場が落ち着きをみせてくるかが注目されよう。中国はボラティリティの高い状況が続くとみられ、しばらくは目が離せないであろう。一方で、中国経済の不透明感が強いなか、世界の金融市場を揺さぶっている中国が落ち着きを見せてくることになれば、東京市場もリバウンドが意識されてくる。
日経平均は大発会からの5日間の下落幅は最大で1500円を超えた。急ピッチの下げに対する自律反発が意識されてくるほか、このところは中国市場の始まりと合わせて売り仕掛け的な流れが強まっていたように映る。そのため、ショートポジションはかなり積み上がっていると考えられ、中国次第では相当なリバウンドも意識されやすいだろう。また、引き続き不安定な需給状況が続く可能性があるものの、一方で日銀の金融緩和期待が再燃しやすく、売り込みづらいところでもある。
もっとも、決算発表が本格化してくるなか、足下の円高傾向によって下期の上振れ期待が後退している。その中で予想を上回る決算ともなれば、資金が集中しやすいため、先回り的な動きは限られる半面、決算を手掛かりとした物色は強まりやすいだろう。来週は米国での11日のアルコアを皮切りに決算発表シーズンに入る。そのほか、イベントとしては、11、12日に北米国際自動車ショーのプレスデーがデトロイトで開かれ、16-24日まで一般公開となる。12日にオバマ米大統領が一般教書演説をするほか、13日に米地区連銀経済報告(ベージュブック)が発表される。