世のオバサマたちが健康で美しく生きられるために、ファッションプロデューサーの植松晃士さんがアドバイス。今回は、日本の伝統行事の重要性を語ります。
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皆さま、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。大晦日は、NHK紅白歌合戦。年が明けたら初詣、そして7日には七草がゆ。日本には伝統的な行事がたくさんありますが、私自身はできるだけ、季節の行事は大切にしたいと思っています。
そこで、七草がゆですが、七草を空で言えますか? セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ…声に出したところで、食欲をそそるものは何ひとつありません。お味のほうも正直言って毎年、「気分が上がらないわ」とは思います。でもそれでいいんです。
七草がゆには、今年一年の無病息災を願う、という意味と、年末の忘年会からお正月にかけての暴飲暴食で働きすぎた胃腸を休めましょう、という先人の知恵が込められています。そう思えば、素朴な塩味のおかゆも、しみじみとありがたい気持ちでいただけるものです。
それにね、日本の伝統行事を大切にできる人って、きちんと四季を味わえている人ではないかと思うんです。そういうかたは、日常を丁寧に暮らしている証。人としての厚みや深みにつながっていくような気がします。
読者の皆さまにおかれましては、ぜひとも子供たちや(嫁も入りますよ、念のため)、かわいい孫たちに、日本の伝統行事の素晴らしさ、大切さを、伝えていただきたい。これこそ大人世代の役割というものです。
こう言うと、「どうせするなら完璧に!」と意気込む人がいますが、雛祭りなら男雛と女雛に桃の花を添えるだけで、充分素敵です。
少なくとも「お雛様出すの、面倒臭い」と、全部投げてしまうよりはずっといいのです。 豪華な衣装をまとった美男美女の2人に桃の花、できれば白酒、菱餅、雛あられ。かわいらしいパステルカラーで彩られたお飾りを前に、「貝あわせ」の和菓子などいただいたら…。純粋な少女だった頃の気持ちに戻れそうではないですか!
※女性セブン2016年1月21日号