「もしも○○が弾けたなら」──。シニア世代の中には、若かりし頃に楽器に憧れ、見事に挫折した人は多いはず。だが、カネも時間もそれなりにある今こそ、楽器を始めるチャンスなのだ。
シニアが始める楽器の中でも特に人気なのはピアノだ。メジャーな楽器であるため、スクール数が圧倒的に多いところも強みといえる。
初期費用(初心者向けの楽器の価格)は一般家庭向けのアップライトピアノは50万~70万円ほど、電子ピアノなら10万~30万円ほど。このほか必要に応じて椅子やスタンドなどを購入する。
電子ピアノはヘッドホンが使えるので、時間を気にせず弾くことができるところが利点だ。しかし「音の表現力に関しては電子ピアノよりも生ピアノの方が格段に優れています」と、カワイおとなの音楽教室ピアノ講師・芦塚路子氏はいう。
楽譜を読むのが初めてでも、簡単にアレンジした『エリーゼのために』なら月3回スクールに通えば約4か月で弾けるようになる。またギターのように弾き語りもできるので、ひとりで好きなバンドの音楽を楽しみたい人にもぴったり。
一方で、上達の近道は毎日10分でもピアノを触ることなので真面目さも必要だ。ピアノが置き場所をとってしまうところが欠点かもしれない。
撮影■山崎力夫
※週刊ポスト2016年1月29日号