楽器を始めたばかりの人にとって、行ってみたいけれど、なんとなく上級者向けで敷居が高いのでは……と思いがちの楽器店。でも心配はご無用。最低限、この5か条さえ押さえておけば、初心者でも楽しめる場所なのだ。
【その1】まずは憧れのアーティストを告げる
「初心者の方は知識がないまま楽器店へいってもいいのかな、と思っている方も多いようですが、最初はそれでいいんです」
そう語るのは、東京・お茶の水にある下倉楽器の販売員、下山和哉氏。楽器の専門知識がなくても、欲しい楽器のイメージだけ伝えればいいのだ。
「その楽器を演奏する憧れのアーティストの名前さえ教えてもらえれば、その方の趣味や求めている音色などから、楽器を選ぶヒントになります」(同前)
【その2】試し弾きは店員にお任せ!
楽器選びにおいて、実際に音を聞いてみる試し弾きは必須。だが、始めたばかりでうまくもないのに店で弾くのはちょっと恥ずかしい……そんな人はご安心あれ。何も自分で弾く必要などないのだ。
「お客さんの代わりに私たち店員が弾いて聞かせることも可能なので、気軽に声をかけてください」(同前)
【その3】楽器と付属品の相性を見よ!
楽器は単独で音が出るわけではない。ヴァイオリンなら弓、サックスならリード、ドラムならスティックというように、付属品との組み合わせが大事なのだ。
「同じヴァイオリンでも、弓をかえただけで音や弾き心地がだいぶかわります。楽器と一緒に、いくつもの弓で試してみたほうがいいと思います」(下倉バイオリンの斎藤伊織氏)
【その4】定期的に店で点検!
楽器店は店内に楽器点検を行なうリペアセンターを併設しているところが多い。下倉楽器では毎月一度、無料の楽器点検も行なう。
「初心者は小さな変化に気づきにくい。季節の変わり目には見せに来てください」(前出・下山氏)
【その5】最後はフィーリングで選べ!
楽器は好きという気持ちが大きい方が長く続けられるもの。
「はじめは下手に色々考えて選ぶより、最後は『この形が好き』『この音色にピンときた』などのフィーリングで選ぶのもいいのかもしれません」(同前)
撮影■太田真三
※週刊ポスト2016年1月29日号