大相撲の力士の収入を大別すると、月給、力士報奨金(級金)、懸賞金という3本柱に分けられる。ここでは、懸賞金の仕組みについて解説しよう。
土俵上を呼び出しが企業名や商品名の書かれた懸賞旗を掲げて回る懸賞金も、力士の大事な収入である。スポンサーが期待の一番に提供する懸賞は1本6万2000円。協会に手数料を5300円引かれ、力士の取り分は5万6700円となる。そのうち力士の手取りは3万円、残りの2万6700円は一度協会に預けられ、引退後に一括して支払われる。
1年間の懸賞総本数は約1万本。白鵬は昨年1年間で1728本を手にしており、全体の約6分の1。手取りで5100万円以上を得た計算だ。また1場所に200本以上の懸賞を出す永谷園は、CM契約のある遠藤の一番には必ず5本提供。他にもスポンサーがつくので、昨年の遠藤は幕内中堅の地位ながらも、1800万円の懸賞金収入をあげた。
「現役時代の高見盛も、永谷園のCMに出ていたことで毎日懸賞金がつきました。そのため対戦相手が懸賞金目当てに奮起するので、高見盛はなかなか勝てなかったともいわれています」(相撲ジャーナリスト)
これに加えて臨時収入として、協会が場所ごとに出す「賞金」も大きい。優勝1000万円のほか、殊勲・技能・敢闘の三賞には各200万円が支給される。
昨年の優勝は白鵬が3回で、残りは照ノ富士、鶴竜、日馬富士が1回ずつを分け合い、三賞では照ノ富士4、嘉風4、勢2のほか栃煌山、栃ノ心、松鳳山が獲得。賞金面でも、昨年1年で一番稼いだのは横綱・白鵬だ。優勝3回で3000万円を手にしている。また成長著しい照ノ富士は昨年の基本給、報奨金に加えて優勝賞金の1000万円と三賞賞金の800万円を手に入れた。