参院選に向けて永田町がせわしなくなってきた。この混迷の行方を読み解くには、温故知新に頼るしかない。政界OBのお出ましである。村上正邦(83歳・元自民党参院議員)、平野貞夫(80歳・元民主党参院議員)、筆坂秀世(67歳・元共産党参院議員)の3氏が語り合った。
平野:今回の消費税の軽減税率や低所得高齢者に対する3万円の特別給付は自公で決めたわけだけど、新聞までが、官邸と創価学会の副会長が会談してひっくり返したって報じているでしょう。これは憲法違反ですよ。
憲法20条には、政治権力は宗教団体に干渉してはいかん、同時に、宗教団体も政治に関わってはいかんと、政教分離が明記されている。憲法学者もマスコミも安保法制のときあれほど憲法違反だと騒いだのに、これについては何もいわない。我々の頃は、小泉(純一郎・元首相)さんが選挙のお礼で創価学会の秋谷(栄之助)会長と一席もったと新聞に出ただけで追及しましたよ。
筆坂:あれは問題になりましたね。
村上:創価学会とはね、私が(自民党参議院)議員会長をしていた時代に、公明党を通じて交渉していたのが、だんだん崩れて、直接やるようになっていった。最初は隠れてやっていたんですが、最近は公然とやるようになっている。
平野:党と宗教団体の話し合いはある程度ありうるけど、政府と宗教団体はどう考えてもまずいでしょう。
村上:こういう問題を追及できないのは、野党第一党の民主党がだらしがないからですよ。民主党がしっかりしていれば、こんなことにならないんだ。民主党解党だと騒いでいるやつらは切っちゃえばいいんだよ。党内でバイ菌を培養しているようなもんだよ。
平野:バイ菌(苦笑)。
筆坂:いや、村上さんのいう通りだと思うな。民主党の代表にまでなった人間が、解党論をぶち上げるってどうなのか。こういう連中がいるから、民主党はまとまれないんだよ。彼らが解党論をぶちあげた直前の福島の県議選では、民主党は3議席も増やしている。どこもかしこも負けているわけじゃない。