今季の連続ドラマは、主人公が有能な助手と力を合わせてトリックを暴く「男×男」の“バディ系”が目立つ。その理由について漫画家のカトリーヌあやこさんはこう話す。
「海外ものでは、英国発のドラマ『シャーロック』のホームズとワトソンがコンビを組んで、現代を舞台に事件を解決していくのが典型ですが、彼らの“友達以上恋人未満”のような深すぎる関係に憧れを抱く女性も多いのでは」
そんな『シャーロック』のようなコンビを堪能できるのが、『臨床犯罪学者 火村英生の推理』(日本テレビ系)だ。
「主人公の天才犯罪学者・火村(斎藤工・34才)は殺人現場に快楽を求める変わり者で友達もいなさそうですが、彼には、“こいつだけは自分を理解し、常に味方してくれる”という推理小説家の有栖川(窪田正孝・27才)がいます。女房役といえる存在が“男”で、しかも有栖川はイケメンだから、見ていて“私もこんな助手が欲しい!!”と思えるんです」(木村さん)
医療モノの『フラジャイル』(フジテレビ系)でも、それは同じ。長瀬智也(37才)が演じる天才病理医・岸にも、唯一信頼している臨床検査技師・森井(野村周平・22才)というバディの存在が。テレビ・ドラマ解説者の木村隆志さんはこう話す。
「どんな天才医師でも、彼らを支える技師がいないと仕事は回らない中、他の技師が辞めてしまう。しかし、森井は残って岸を支えていて、その絆にグッとくる。医師役のワイルドな長瀬さんと技師役のソフトな野村さんの対比にも萌えますよ」(木村さん)
やはり「男×男」の『怪盗 山猫』(日本テレビ系)では、正義のために悪を働く怪盗・山猫(亀梨和也・29才)と雑誌記者・勝村(成宮寛貴・33才)との掛け合いが痛快だ。
「亀梨くんと成宮くんの“猫顔”コンビに母性本能をくすぐられます。“山猫事件”を追う関本刑事(佐々木蔵之介・47才)が『ルパンⅢ世』でいう銭形警部のように、山猫を捕まえようとしながらも、彼らの行動を見守っている。そんな佐々木さんの役割にも、世の女性たちは胸を打たれると思います」(カトリーヌさん)
一方、かつては大家族が主流だったホームドラマもバディ系に。一風変わった家族像を描く『お義父さんと呼ばせて』(フジテレビ系)のWオヤジも注目だ。
「娘のような年下女性との結婚を決意した男性と、同じ年である彼女の父親が、彼氏VS父親となってしまったがゆえに、反発せざるを得ない。ドラマではバトルを繰り広げるも、実はプライベートでは仲の良い遠藤憲一さん(54才)と渡部篤郎さん(47才)。彼らが撮影の合間に見せているじゃれ合いが、画面からあふれ出ていて、かわいく思えます」(木村さん)
※女性セブン2016年2月4日号