SMAP独立騒動で、ジャニーズ事務所からの独立組のリーダーとして名前が挙がったのが中居正広(43才)だ。結局、独立はなくなったが、彼の司会者としての力量なら、独立して事務所の後ろ盾がなくなっても充分、活躍できたという声は今でも根強い。改めて中居の司会者としての実力に注目してみたい。『トップ・インタビュアーの聴き技84』の著書があるテレビ解説者の木村隆志さんが分析する。
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「SMAPのメンバーかどうか」は関係なく、中居さんの司会スキルはすでに芸能界トップクラスであり、その評価が独立騒動で揺らぐことはないでしょう。得意のバラエティーや音楽、スポーツだけでなく、苦手なはずの結婚、終活がテーマの長時間特番も難なくこなしてしまうのは、技術が高いからに他なりません。
中居さんの司会で目を引くのは、献身的なチームプレーの姿勢。中居さんは番組のジャンルやコーナー、出演者などによって自身の立ち位置を変えるタイプですが、決して個人プレーに走ることはありません。芸人司会者はどうしても「ゲストを立てつつ、自分も爪あとを残そう」としますが、中居さんは「メインはゲストであり、司会者はホスト」という感覚。
「自分の能力を見せたい」「評価されたい」という自己顕示欲のなさが好感度に直結しています。中居さんは日ごろ、「芸人さんにはかなわない」と言っていますが、むしろその逆。自己顕示欲が強くライバルの多い芸人司会者たちは、中居さんのように自らの存在感を薄めるようなスタイルは取れないのです。
中居さんが献身的なチームプレーをするためのベースとなっているのは観察眼。ゲストの表情やトークが硬ければ友達口調でほぐし、真剣に話しているときは深くうなずきながらじっくり聞き、「説明が足りない」ときはあえて分からないフリをして尋ねるなど、出演者の生き生きとした姿を引き出そうとしています。