映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のヒットで、スター・ウォーズ(SW)人気が再燃している。新年の挨拶で「映画、観た?」と聞き合うファン同士も少なくなかったのではないだろうか。そんなSWの裏側にまつわるエピソードをどうぞ。
まず、SWの産みの親であるジョージ・ルーカス監督と、『E.T.』(1982年)のスティーブン・スピルバーグ監督は、古くからの大親友ということをご存じだろうか。
当初ルーカス監督がSWを作り上げたとき、映画界では冷ややかな目で見られていた。実際、第1作の公開時は、わずか32館のみの上映。映画ジャーナリストの立田敦子さんは、「ルーカスは観客の反応を見るのが怖くて、公開当日はハワイに逃げていたほど」だったと当時の様子を語る。
作家・ゲームデザイナーでSWに詳しい柴尾英令さんは、「酷評の嵐だったSWの試写で、“おれはヒットすると思う。最低でも1億ドルは稼ぐんじゃないかな”と、唯一SWを称賛したのがスピルバーグでした。資金は足りないわ、製作は遅れるわで四苦八苦していたルーカスにとって、彼は精神的支援だったと思いますよ」と分析する。
そんな絆からか、エピソード1(1999年)にE.T.が出演。銀河系各国の重鎮が集まって会議をするというシーンに出演している。ちなみに『E.T.』では、ハロウィンのシーンにヨーダが特別出演。耳をすませば、ヨーダのテーマ曲も使われている。
また、ルーカス監督がSWを作るにあたって黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』(1958年)をベースにしたというのが有名な話だろう。三船敏郎さんにジェダイ(銀河系の平和を守る守護者)のオビ=ワン・ケノービ役をオファーしていた。ご存じのとおり、実現はしなかったが、その経緯を、娘の三船美佳(33才)はこう語っている。
「当時はまだテクノロジーが発達していなかったし、SFは子供向けというイメージも強かった。武士道やサムライ魂を表現するのは不可能では、と考えたようです。それを聞いたルーカスさんは、“じゃあ、ダース・ベイダー役ならどうか”と言ってくださったそう」
ちなみに、ダース・ベイダーは、ルーカスと彼の父との間の確執を表したキャラクターで、“ダーク・ファーザー”のもじりといわれている。
「vader(ファーダー)は、オランダ語で“父親”という意味なんですよ。ジェダイも、“時代”が由来とか、世界のいろんな文化を引用しているんです」(立田さん)
※女性セブン2016年2月4日号