今シーズンの連続ドラマは、「女×女」の組み合わせが多い。女同士というと、恋敵のドラマが主流だったが、バディ系が増えている。中でも注目なのはこの3作だ。
1つ目は、女だけの刑事ドラマ『ヒガンバナ~警視庁捜査七課~』(日本テレビ系)。変わり者の刑事・渚(堀北真希・27才)と、反発しながらも協力し合い、いつしか理解を深めていく雪乃(檀れい・44才)の関係が見どころだ。テレビ・ドラマ解説者の木村隆志さんは、このドラマの魅力をこう分析する。
「見た目も性格も水と油のような関係に見えて、肝心なところでは急にスイッチが入ったように結束を見せる。まさにこのドラマは、個性的な女性たちが、事件解決に向けて団結する瞬間を描いていて、終盤にはスカッとできるシーンが必ずあるんです」
そして2つ目は、女同士の強い友情を描く『ナオミとカナコ』(フジテレビ系)。ふたりは大学時代の親友同士で、DV夫を殺し、完全犯罪をもくろむ。
「犯罪を止めるのも友情であれば加担するのもまた友情。DVを受ける親友・加奈子(内田有紀・40才)を救おうとする直美(広末涼子・35才)も、職場で不遇の状況に置かれています。このドラマの醍醐味は、つらい現実を変えようと、必死に計画を実行する2人の絆。犯罪なのに応援したくなってしまう。むしろ、彼女たちを追い詰める姉・陽子(吉田羊)のほうが悪者のように感じられます」(木村さん)
さらに、『わたしを離さないで』(毎週金曜22時~・TBS系)は、男女3人の物語だが、単なる三角関係ではなく、本誌の必見ポイントはやはり「女×女」。
「ヒロインの綾瀬はるかさん(30才)と水川あさみさん(32才)が、力を合わせて“宿命”に立ち向かっていくという設定。過酷な宿命を背負った彼女たちが何を考え、どんな行動をとるのか。支配欲の強い水川さん演じる美和は、孤独ゆえに綾瀬さん演じる恭子に嫌な態度をとってしまう。女同士だからこそ本音をぶつけやすく、それが時に相手を振り回すことになるんです。そんな、誰もが持っている感情のぶつかり合いがうまく表現されています」(木村さん)
※女性セブン2016年2月4日号