台湾の総統選で蔡英文氏が圧勝し、またひとり世界に女性リーダーが誕生した。来るアメリカ大統領選ではヒラリー・クリントン氏が最有力候補と目されているし、ドイツのメルケル首相、韓国の朴槿恵大統領、ブラジルのルセフ大統領など、世界を見渡せば、女性政治家の活躍は当たり前のことになっている。
翻って日本では、安倍政権が盛んに「女性の社会進出」を唱えるのとは裏腹に、女性首相誕生の気配などほとんどないのが現状だ。
日本の政界では、たまに女性議員が話題に上ったかと思えば、小渕優子氏(政治資金問題)、中川郁子氏(同僚議員との路上キス)、上西小百合氏(国会休んで旅行疑惑)など、不祥事やスキャンダルばかり。なぜこんなことになってしまったのか。
評論家の小沢遼子氏は、同性の立場から「情けないよね」と嘆くばかりだ。
「日本の女性政治家は、票を集めるためだけの男性政治家にとってのアクセサリーになってしまっている。稲田朋美さんといい、高市早苗さんといい、大臣になっているのも私から見れば男性政治家に媚びている女性ばかりです。自分の意見がなくて、ものすごく体制的でしょう。あるいは蓮舫さんのように肩に力が入りすぎているタイプか。
そんななか、野田聖子さんは媚びずに自分の考えで世界と渡り合っていこうとしていますが、ああいうタイプは少数派だから、彼女は総裁選に出馬さえできなかった」
※週刊ポスト2016年2月5日号