俳優・歌手デビューから42年たった中村雅俊(64才)。また、歌手として行ってきたコンサートツアーが今年で1500回の大台を迎える。
「役者の仕事もしていると、1年で200回とかできるわけじゃないので、わりとコツコツやってきたのかな」
そう笑顔を見せた中村。年にドラマ『われら青春!』(日本テレビ系)の主役に抜擢され俳優デビュー。自身が歌うドラマの挿入歌『ふれあい』が100万枚を突破し、一躍その名を日本に轟かせた。そこから歌手・中村としての人生も幕を開けた。
「1回目のコンサートは1974年の11月。今はないですけど、駿府会館(静岡)という所で、5、6000人のキャパだったんです。緊張しながらも、気持ちいいなって思いました」と、これまででいちばん印象的なシーンを振り返った。だが、その道のりは平坦ではなかった。
「昔のドラマはワンクール(3か月)ではなく、1年間のものもあった。その合い間でのコンサートだったので大変でした。おれ含めてメンバーが曲を忘れちゃったりして(笑い)。そんな風に始まったコンサートだから、本当に1500っていう数字はすごく名誉ある数字だよね」(中村・以下「」内同)
多忙な中で続けること42年。なぜ、コンサートを続けるのか。
「ファンのかたはきっとドラマを見てくれているんだろうなって思っていますけど、コンサートはファンと直接会える場所ですから」
だから、コンサートでは歌だけでなくMCも大事にする。暗闇の会場の中、懐中電灯の光をファンに当て、どんなお客さんが来ているのかを探しては絡む。それも中村流のコンサートなのだ。
「お客さんとのやりとりがあったほうが、気持ちが近くになれますからね」
昨年、7年ぶりにシングル『はじめての空』をリリースした。ひと通り人生の酸いも甘いも経験した同世代へのメッセージソングだ。
「これからどう生きるかっていうことを伝えたくて。もうひと踏ん張りしたら見慣れていた空が、初めて見た空のように見えるよって。まぁ、皆さんに歌っているけど、自分に対しても歌っているんだよ」
撮影■浅野剛
※女性セブン2016年2月11日号