国内

警視庁の女性副署長「女に上司が務まるの?」を発奮材料に

築地署副署長の早乙女真由美さん

 安倍政権が推進する「女性が活躍する社会」。かつては男性社会のイメージが強かった警察でも、働く女性が増えている。

 現在、102か所ある都内の警察署には、5人の女性副署長が勤務する。その1人である築地署副署長の早乙女真由美さん(57)は、警視庁内で活躍する女性のパイオニアとなってきた。

 かつては男性中心の社会だった警察で、女性警察官の配属先は原則的に交通課のみ。キャリアを積んでもほかの部署への異動は難しく、異動に必要な各講習の受講条件には、ハッキリと「女性は除く」と書かれてきた。

「高校生の頃に放送されていた刑事ドラマ『Gメン’75』に憧れていたのですが、入ってみて女性には到底無理な世界だと思いました。

 最初の配属先は、東京空港署でした。手荷物検査所で警備にあたる警戒係でしたが、空港を利用する要人を警護することもありました。

 昭和56年にデンマーク女王・マルグレーテ2世が来日した際には、対象者が女性ということで、当時としては珍しい女性SPに私が抜擢されました。トイレの直前まで同行するなど、一番近いところで警備させてもらった。それはそれは、すごい緊張感でした」

 警視庁で女性の活躍の場が広がったのは、昭和61年に施行された「男女雇用機会均等法」以降。早乙女さんは職域拡大によって生まれた“女性初のポジション”に次々と抜擢されていく。

「外国人の犯罪が増え始めた影響で、平成元年に警視庁通訳センターが設置され、英語の通訳として配属されました。平成6年には四谷署で、警視庁としては女性初となる少年係の係長を任せられました。

 プレッシャーは凄かったですよ。だって私が失敗すれば、“やっぱり女性はダメだ”と判断されかねませんから。後輩の道を潰すことにもなるので、一生懸命やらせていただきました」

「女に俺らの上司が務まるのか?」などと、男性警察官からの陰口が伝え聞こえてきたこともある。だが、負けず嫌いの性格を武器に、表では笑顔でかわし発奮材料にしてきた。

「女性警察官のパイオニアですね」と水を向けると、「ぜんぜん違います! 私よりも先輩の方々の活躍があったからこそ、当時の私がいるんです」と謙遜するが、切り拓いてきた道は確実に現在に繋がっている。

「今後、ますます女性警察官の活躍を期待しています」

撮影■ヤナガワゴーッ!

※週刊ポスト2016年2月12日号

関連キーワード

トピックス

4月24日発売の『週刊文春』で、“二股交際疑惑”を報じられた女優・永野芽郁
永野芽郁、4年前にインスタ投稿していた「田中圭からもらった黄色い花」の写真…関係者が肝を冷やしていた「近すぎる関係」
NEWSポストセブン
18年間ワキ毛を生やし続けるグラドル・しーちゃん
「女性のムダ毛処理って必要ですか?」18年間ワキ毛を生やし続けるグラドル・しーちゃん(40)が語った“剃らない選択”のきっかけ
NEWSポストセブン
永野芽郁
《永野芽郁、田中圭とテキーラの夜》「隣に座って親しげに耳打ち」目撃されていた都内バーでの「仲間飲み」、懸念されていた「近すぎる距離感」
NEWSポストセブン
上白石萌歌は『パリピ孔明 THE MOVIE』に出演する
【インタビュー】上白石萌歌が25歳を迎えて気づいたこと「人見知りをやめてみる。そのほうが面白い」「自責しすぎは禁物」
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《田中圭と永野芽郁にお泊まり報道》「トイレで寝ていた…」業界関係者が心配していた“酒の場での様子”
NEWSポストセブン
小山正明さん
元阪神の320勝投手・小山正明さんが生前に語っていた「伝説の天覧試合」での長嶋茂雄、村山実のこと 「自分が先発した試合で勝てなかった悔しさは今も残る」と回想
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《田中圭に永野芽郁との不倫報道》元タレント妻は失望…“自宅に他の女性を連れ込まれる”衝撃「もっとモテたい、遊びたい」と語った結婚エピソード
NEWSポストセブン
父親として愛する家族のために奮闘した大谷翔平(写真/Getty Images)
【出産休暇「わずか2日」のメジャー流計画出産】大谷翔平、育児や産後の生活は“義母頼み”となるジレンマ 長女の足の写真公開に「彼は変わった」と驚きの声
女性セブン
不倫報道のあった永野芽郁
《お泊まり報道の現場》永野芽郁が共演男性2人を招いた「4億円マンション」と田中圭とキム・ムジョン「来訪時にいた母親」との時間
NEWSポストセブン
春の園遊会に参加された愛子さま(2025年4月、東京・港区。撮影/JMPA)
《春の園遊会で初着物》愛子さま、母・雅子さまの園遊会デビュー時を思わせる水色の着物姿で可憐な着こなしを披露
NEWSポストセブン
不倫を報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁との手繋ぎツーショットが話題》田中圭の「酒癖」に心配の声、二日酔いで現場入り…会員制バーで芸能人とディープキス騒動の過去
NEWSポストセブン
春の園遊会に参加された天皇皇后両陛下(2025年4月、東京・港区。撮影/JMPA)
《春の園遊会ファッション》皇后雅子さま、選択率高めのイエロー系の着物をワントーンで着こなし落ち着いた雰囲気に 
NEWSポストセブン