鍋料理がおいしい季節──。ツユの種類や入れる具材などによって、人それぞれ懐かしの「家庭の味」もあるだろう。俳優・タレントの石倉三郎(香川県小豆島出身)が思い出の鍋料理を語る。
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鍋といえば「豚しゃぶ」だね。これはオレの実家の伝統的家庭料理でね。といっても貧乏だったから豚肉しか買えなかっただけなんだけど。だけど、さっぱりした中にも甘みがあって、たまんなくうまいんだなぁ。
寒くなると無性に恋しくてね。橙(だいだい)をギューッと搾って、ポン酢につけてかっこんでるよ。
講釈たれさせてもらうとね、ポン酢の「ポン」っていうのは、橙のことを指してるのよ。オレは四国の愛媛県から取り寄せた橙を使ってる。
ちなみに野菜は白菜ではなくてキャベツ。歯ざわりがあってシャキシャキして最高よ。
あとはもやしを少々。こいつはさっと湯にくぐらせての浸け食い。シメはラーメンに塩、こしょう。呑兵衛のオレでも翌朝胃がもたれることもないし、本当にオススメよ。
あー、話してるだけで腹が減ってきた。今夜も豚しゃぶにするかな(笑い)。
※週刊ポスト2016年2月12日号