投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の2月1日~2月5日の動きを振り返りつつ、2月8日~2月12日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落。原油先物相場に落ち着きがみられたが、米国の追加利上げ観測が後退する中でドル売りが強まったことが嫌気された。これにより、日銀のマイナス金利政策の導入を材料視した前週末の上昇部分を帳消しにした。
これまでも調整トレンドの中でリバウンドであったため、過度な不安感が強まる状況ではないとしても、投資家のセンチメントは悪化している。これまで原油相場の大きく振らされる相場展開であったが、週半ば以降は為替相場に市場の関心が向かっている。
まずは週末の米雇用統計の結果を受けた市場反応が注目される。米国では予想を下回る経済指標の発表が相次いでおり、3月の利上げ観測が後退しており、これがドル売りを強める要因につながっている。米雇用統計が弱い結果となれば、3月利上げは厳しいとのコンセンサスとなり、これを織り込む流れからドル売りが強まりやすく、且つ株式市場への波乱につながる可能性がある。
もっとも予想を上回れば、利上げ観測が再燃する可能性は十分ある。また、10日にイエレンFRB議長が米下院金融サービス委員会での証言が予定されており、為替および株式市場への変動要因になりそうだ。12日には1月の米小売売上高が発表されるため、米国の金融政策への思惑に振らされやすい相場展開になりそうだ。
その他、今週は中国が旧正月(春節)となり、インバウンドや民泊といった関連銘柄に関心が向かいやすい。また、同時期には北朝鮮のミサイル発射も警戒されるところ。その他、トヨタ<7203>が決算を発表。同社がアク抜けとなれば、センチメントを明るくさせよう。