イキる、とは調子に乗る、勢いづく、威張る、偉そうにするなどの意味。吉本新喜劇・座長の小籔千豊(こやぶ・かずとよ)は「イキる奴」が嫌いだという。その小籔が、夫婦別姓について語った。
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年末に「民法の夫婦同姓の規定は合憲」との判決があって、「同姓か別姓か」で色々言われていますね。僕としてはホンマに基本的には「どっちでもええ」と考えてます。夫婦別姓に反対ではないし、それを阻止したいわけでもないですけど、それでも別姓賛成の人の意見を聞いて「なるほど!」と思える理由に出合えてないです。逆に「ん?」って思うものがあります。
たとえば「昔は名字がなかったから、一つの名字・家名にこだわらんでええやん。そんな歴史の浅い制度を後生大事にせんでも」とか言われますけど、素朴な疑問というか、一番名字に固執しているのは、その人たちじゃないの? こだわっていないなら、今までの流れでええんちゃうかなとか思うんですよ。
「先進国で夫婦同姓は日本だけ」……知らんて。何でもかんでも外国のマネする必要はあります? それやったら銃OKの国はほとんどないから、アメリカも銃を廃止にせなアカンはずだし、大麻を合法化する国があるから日本もそうせなアカン、とはならないでしょ。
「事務手続きが面倒くさい」「女性が離婚した時もややこしい」といった意見もありますけど、いやいや、あなた個人の「面倒くさい」で法律変えるってどうなん? 引っ越ししたり、車買ったり手続きってたいがい面倒ですし。
それが通ってしまうなら僕も言いたいことはありますよ。僕は背が高いから、新幹線の座席の背もたれのカーブが身体に合ってないんですよ。どうしても姿勢悪うなる。それを「デカいヤツのために全車両の座席を作り直すべきだ」と訴えて、賛成してくれます?
それとウチの家系は牛・豚・鶏を食べないんですが、「飲食店は肉ばっかり使ってるやないか! 法律でどの店も必ず肉を使ってないメニューを作れ!」と、菜食主義者ばかり集まって裁判所に乗り込んでも、その主張に「なるほど、そうや!」って膝を打ってくれます?
そんなのは一個人の話であって、マイノリティの意見を無条件になんぼでも通すと、まとまるものもまとまらなくなるでしょ。平等を訴えるのはすごく素敵なことやけど、何でもかんでも「平等」という武器を振りかざして、そうでもないもんまで変えるのはよくないと思いますね。もちろん、長く続いてきたものでも変える必要があるものはいっぱいあって、女性の参政権とかは変えるべくして変えたものだと思います。