世間を騒がす出来事が連発している2016年。スキャンダル、事件、事故など、ネガティブなことが起こった場合に、私たちはどう行動すべきか。危機管理に詳しい経済ジャーナリストの須田慎一郎さんに、そんな時の正しい対処法を聞いた。そこには、3ステップの鉄則があるのだという。
「第1段階として、一体何が起こったのか、事実関係を丁寧に説明し、明らかにすること。第2段階として、誰に責任があるのかを明らかにしてしかるべき責任を取る。第3段階が再発防止策。『だからもう二度と同じことを起こしません』と相手に伝わって初めて、信頼を取り戻すスタートラインに立てる。これなくして信頼の回復はありえません」(須田さん、以下「」内同)
それらを踏まえて、須田さんは、不倫騒動で活動休止となったベッキー(31才)の一連の対処をどうみているのだろうか。
「記者会見は開いたけれども彼女から正確で丁寧な説明はなく、全容や真相を明らかにできたかというと、非常にあいまい。第1段階で明らかにされない以上は、責任の所在を明確にして責任を負うことも、再発防止策を講じることもできない。初めの段階からつまずいているんです。それが第2弾、第3弾の暴露にもつながってしまった。何事もなかったかのようにテレビに出続けようとしても、視聴者も許すわけがありません」
ベッキーの会見については「小学生並みのリスクコントロールで0点」と激辛な評価をした須田さんだが、一方で金銭授受報道で辞任した甘利明・前経済再生担当大臣(66才)の答弁は「ほぼ100点」と、高く評価する。
「さすが、危機管理をよく認識している。ひながた通りの対応です。事務所ではなく甘利大臣本人の件として、金銭の授受を含めて、事実関係をすべて明らかにする。責任を取って自ら大臣を退き、再発防止については外部の第三者委員会に委ねる。厳しい追及にも逃げない潔さもあった」
だからこそ、世の中の空気として納得感が生まれ、「むしろ同情的な声が聞こえてくるほどで、安倍内閣の支持率もさほど下がらなかった」のだと、須田さんは分析する。
※女性セブン2016年2月25日号