清原和博容疑者の覚醒剤事件。そのキーマンが元プロ野球選手のXだ。既に複数のメディアに直撃取材されている人物だが、彼との「約束」により、ここではあえて名を伏せる。
1991年、オリックスに入団。左の中継ぎとして活躍し、1998年に巨人に移籍、2000年には優勝・日本一に貢献した。その後はメジャーリーガーを目指して渡米。2005年に球界を引退している。その後、Xは道を誤った。2006年、覚せい剤取締法違反の罪で逮捕され、有罪判決を受ける。
本誌は判決を受けた直後、Xに480分もの長時間のインタビュー取材を行なった。そこでは重大な発言もあったが、検証できずに封印されたものあった。清原が覚せい剤取締法違反で逮捕され、過去に遡っての常習的な使用も疑われている今、本誌はこの証言が「清原がいつから薬物に溺れてしまったか」を探るための重要な意義があると考え、10年間封印してきたXの重大発言を公開する。
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私は現役時代からすでに、覚醒剤を使用していました。
「グリーニー」(覚せい剤取締法で規制を受ける覚醒剤に指定されているアンフェタミン系興奮剤)はオリックスが日本一になった1996年シーズンの終盤、ある外国人選手から「コーヒーに入れて飲んでみろ。体が楽になるぞ」とカプセルを渡され、飲んだのが初めでした。
しかし1997年には、グリーニーが彼の手に入らなかった。そこで彼は、グリーニーの代用品として覚醒剤を入手してきました。フィルムケース一杯に入ったものを持っていて、同じくコーヒーに入れて飲んでいた。私も分けてもらいました。
その年のオフ、私の巨人への移籍が決まりました。当時、子供がすでに小学校への入学手続きが終わっていたので、単身赴任することになった。その時に孤独感も手伝って、初めて“炙り”をやってみました。第一印象は「目がさえてきた。こりゃ寝られんぞ」だったのを覚えています。
そして忘れもしない1998年、巨人で迎えた初めての宮崎キャンプでのことです。キャンプを打ち上げ、オープン戦に参加しない選手が居残っている時でした。アップ中に、清原さんにこう声をかけられたんです。
「お前、マリファナやったことあるか」
いきなりの会話としては普通じゃなかった。経験はなかったので素直に「いいえ」と答えると、「手に入れることはできるか」と言ってきた。冗談には聞こえませんでした。私が覚醒剤をやっていたことは絶対にバレていないはず。単に同じパ・リーグ出身の顔見知りで、巨人では外様同士、親しみを感じてくれたのかもしれません。