2015年の所得税の確定申告が16日から始まった。確定申告とは、1年間の所得を申告して、国に納める税金などを確定する制度だ。確定申告をしてお金が戻ってくるのはどういう人が対象になるのか? 『自分ですらすらできる確定申告の書き方』(KADOKAWA)著者で税理士・公認会計士の渡辺義則さんに聞いた。 例えば、シロアリ被害の駆除代も対象に。害虫被害、地震、台風、水害など自然災害による被害でかかった費用も控除対象になる。
「これらは雑損控除といいます。計算が複雑で専門知識が必要。被害状況を写真にとり、駆除や修繕にかかった費用の領収書を税務署に持参して相談しましょう」(渡辺さん、以下「」内同)
空き巣被害にあったら、住宅、家財、衣類など生活に必要な財産が盗まれた場合も、雑損控除の対象となる。
「日常生活で使うものがポイントなので、30万円を超える貴金属類などは対象外です」 両親の介護で自宅をバリアフリーにしたなど、50万円(自治体などによる補助金控除後)を超える工事を自己資金で実施した場合、標準的な工事費用の10%が税額控除の対象になる。
入院で個室部屋になった場合はどうだろうか。明らかに本人のぜいたくと見なされる特別室の差額ベッド代はNGだが、大部屋が空いていなかったなど、やむを得ないためなら医療費控除の対象として認められる。「領収書にその旨のメモを書けばOKです」。
10年以上のローンを組んで住宅を買っていた場合、住宅ローンの残高×1%を10年間税額控除できる。今年申告できるのは、昨年末までに入居していることが条件。「年末のローン残高が3000万円あった場合、払った税金30万円が戻ります」。ちなみに源泉徴収税以上の金額は、住民税から控除される。なお、確定申告が必要なのは1年目のみ。2年目以降は年末調整で控除してくれる。
不妊治療の場合は、問診や検査など、病院に支払った費用であれば、すべて医療費控除の対象になる。
地震保険の保険料は、最大5万円まで控除の対象になる。生命保険とは別枠なので、年末調整で申請しなかった人は控除証明書を添付して申告しよう。
「年間保険料が4万円かかった地震保険では、4000円の還付が受けられます」
続いては、親と同居して扶養に入れたケース。年老いた親を地方から呼び寄せて同居し、扶養家族にした場合、「同居老親等」で58万円の控除が受けられる。
「70才以上の父母、祖父母と同居して扶養に入れた場合、5万8000円戻ります。同居していない場合は、4万8000円となります」
※女性セブン2016年2月25日号