「ピアフという人間が生まれ、死んで、残したものを今、(観客に)渡したいんです」
2月6日、大竹しのぶ(58才)は主演舞台『ピアフ』の会見で目をキラキラとさせながらそう決意を明かした。
『ばら色の人生』『愛の讃歌』などを歌い、47才という若さでこの世を去ったシャンソン歌手、エディット・ピアフ。仏・パリの貧民街で生まれ、幼少期は経済的な理由から親族をたらい回し。20才のときにナイトクラブで歌ったのをきっかけに歌手の道を歩み始め、恋人との死別や薬物中毒、2度の結婚といった激動の彼女の半生を大竹がはじめて演じたのは、2011年のことだった。
「シャンソンの女王・ピアフが舞い降りた」
大竹の鬼気迫る熱演と妖艶な歌声で舞台は伝説に。2013年の再演を経て、再々演となる今回もチケットは完売状態。冒頭の会見では、「愛の大きさを伝える『愛の讃歌』は、たやすくは歌えません。“重い”といわれようが、心してかからないと歌えないんです」と、3度目となっても変わらない“ピアフを演じる難しさ”と役への意気込みを吐露した。
大竹は今年7月に59才を迎えるが、彼女のパワーは年を重ねるごとに強まっているように見える。
「最近は舞台で年下俳優と共演してときめいたというエピソードをトーク番組で明かしていました。相手は三浦春馬くん(25才)で、娘さんのIMALUちゃん(26才)と同年代です。それに嵐のコンサートをはじめ若い世代のライブに頻繁に顔を出しては黄色い声援をあげている様子も見かけます。大竹さんって、何才になっても仕事も恋も現役って感じがするんですよね。そこがすごい」(芸能関係者)
大竹は月刊誌『ゆうゆう』(3月号)のインタビューで“老い”への思いをこんなふうに明かした。
《よく、年をとるのは怖くないとか言うけど、そうは思わないですね。50才になるときは、えっ、50才になっちゃったって、すごいショックでした。今でも、もう58才とか、言いたくないと思います》
還暦を迎えることについて、
《ああ、すごい嫌だなと思う》
昨今、「年齢を重ねるごとに楽しくなる」「第2の人生こそが面白い」といった“老いを楽しむ”ライフスタイルが取り上げられ、加齢を受け入れることが美徳という風潮が感じられる中、大竹の発言は女性たちの心を揺さぶった。
「白髪は目立つし、肌は乾くし、くびれはなし。年を取りたくないなんて言うと、女にしがみついてて醜いと思われそうだけど、無理矢理楽しむなんてできない。嫌だって言っていいんですね。スッキリしました」(56才・主婦)
「大竹さんが言ってくれて嬉しい。寄る年波に抵抗しても勝ち目がないから、“老いを楽しむ”なんていう言葉で逃げようとしていました」(63才・主婦)
「年を取るのは嫌だ」と素直に言えるのも大竹ならでは。だからこそ、いつまでも少女のような雰囲気を醸し出せるのかもしれない。
※女性セブン2016年2月25日号