レッツノートは“新幹線シェア”と呼ばれるほど出張族のビジネスマンから絶大な支持を得ており、他社がPC事業の収益確保に苦しむ中、着実に成長を遂げている。20万円を超えるシリーズもあるレッツノートが人気なのはなぜか。
「移動中でもノートパソコンを使いたいビジネスマンが一番求める機能は、頑丈で軽いことと、東京―新大阪間の往復でも使い続けられるバッテリーの持ち。それらの条件すべてで優位に立つモデルが多いのがレッツノートです。
一方、ソニーから離れて身軽になったVAIOこそビジネス用途の高級モデルに特化し始めていますが、これまで大企業の中で上から下まで幅広くラインアップしてきた東芝と富士通が思い切った製品の絞り込みをできるかどうか。それが3社統合の方向性を左右する重要な課題といえます」(安蔵氏)
パソコン市場の低迷は日本国内だけでなく、世界中で起きている傾向だ。グローバルブランドの再構築も図らなければならない日の丸連合には、限られたパイを確実に掴んでいくための「英断」が求められていくだろう。