最近、「不思議な日本語」で注目を集めているのがハーフモデルの滝沢カレン(23才)だ。昨年6月、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)に初出場し、その強烈なキャラクターで司会の明石家さんまを圧倒。以来、バラエティー番組に引っ張りだこになっている。滝沢はこれまでのハーフタレントやおバカタレントとはどう違うのか? テレビ解説者の木村隆志さんがその魅力に迫る。
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現在は「日本語がおかしい」キャラがすっかり定着しましたが、もともと北川景子さんや水原希子さんらを輩出したトップモデルの登竜門『ミスセブンティーン』でグランプリを獲得した現役バリバリのモデル。日本人とウクライナ人とのハーフだけに、シャープでスタイリッシュな着こなしも多く、「目力の強さを生かしたクールビューティー系」という印象がありました。
だからこそ、他のおバカキャラやハーフタレントよりも、見た目と発言のギャップが大きく、インパクトにつながっているのではないでしょうか。たとえば、おバカキャラの鈴木奈々さんや重盛さと美さんも、ハーフタレントのマギーさんやトリンドル玲奈さんも、見た目と発言のギャップはそれほどありません。その点、滝沢さんを見た視聴者は、目から入る姿と耳から入る発言がシンクロしないため、笑いやすいと言えるでしょう。
クールビューティーな見た目と発言のギャップやハーフモデルという意味では、ローラさんやダレノガレ明美さんに近いとも言えますが、2人が失礼キャラであるのに対して、滝沢さんは「敬語で話そうとするけどうまくいかない」真面目キャラ。誰かをおとしめるような笑いではないので、家族で見られる安心感もあります。
あの明石家さんまさんが「それどういうこと?」、浜田雅功さんが「いや、そんなに(日本語が)下手か?」と“ツッコミ”ができずに“確認”をするなど、滝沢さんの発言は違和感を飛び越えて、不思議というレベル。ただ、よく聞いてみると、3種類のボケを繰り出していることが分かります。
1つ目のボケは、基本的な日本語の間違い。番組ロケで東京大神宮を訪れたとき、多くの参拝者がいると聞いた滝沢さんは、「そんなにこらっしゃる(「いらっしゃる」の間違い)んですか?」。間違えたことに気づいたものの、「そんなにたくさんの人がおらっしゃれている(「いらっしゃられている」の間違い)んですね」と別の間違いをしていました。これは小学生でも分かるタイプの単純なボケです。
2つ目のボケは、丁寧に話そうとして失敗してしまうパターン。小林麻耶さんに「小林さん」と言おうとして「おたくさん」。「カッコイイ」とホメようとして「おカッコいい」。番組エンディングで明石家さんまさんに「今日は本格的なお笑いをありがとうございました」と話すなど、真面目な人柄がボケにつながっています。