ラグビーの五郎丸歩(ヤマハ発動機ジュビロ、29才)が2月5日、世界最高峰といわれるリーグ「スーパーラグビー」のレッズ本拠地である、オーストラリアのブレスベンへ出発した。1月に国内のシーズンを終え、所属するヤマハ発動機ジュビロからレッズに期限付きで移籍する五郎丸は、8日からチームの練習に合流。27日の開幕に向けて調整を行っている。
搭乗日の出発直前、記者会見に臨んだ五郎丸は、この日渡航で利用するカンタス航空の関係者からカンガルーのぬいぐるみを渡され、にっこりと微笑んだ。
挨拶では、「早いもので、本日出発することになりました。一選手としてどこまで通用するかわかりませんが、自分の力を精一杯出してがんばって、帰ってきたいと思います」と抱負を述べた。
昨年のワールドカップで注目を集めてから今日までの多忙な日々については、「ラグビー以外の時間が増えましたが、自分のできる精一杯のことをしてきたと思っています」と回顧。
レッズでは、フルバックの定位置争いからチームメートとしのぎを削ることになるが、「ジャージを着られずに帰ってくることもあるそうなんで…」と不安を口にしたものの、「自分にとっては高い壁ですが、乗り越えた時にさらに成長できると思うので、どこまで通用するかわかりませんが、まずは、試合に出られるよう必死に練習したいと思います」と語った。
スーパーラグビーは、南半球の強豪国であるオーストラリアやニュージーランドなどのチームで構成されるが、今シーズンからは日本のチームであるサンウルブズも参戦する。5月には、レッズの本拠地で彼らとの試合が待っている。
サンウルブズとの試合について聞かれた五郎丸は、「いちばん楽しみにしています。日本のみなさんにも期待してほしいと思うので、しっかり出場できるよう頑張りたい」と意気込みを語った。
また、ヤマハ発動機のチームメートから何か餞別を送られたかと聞かれると、「磐田を離れる時に、チームのみんなで野球をやりました。休みに草野球をするのが夢だったので」と嬉しそうにコメント。
「でも、外野手だったので、ボールが飛んでこなくて暇でした」と言って会場を沸かせ、「ヒットは1本打ちました」とも。
そして、「海外で成功することが日本のラグビーにとっても重要だと思うので、精一杯努力していきたいと思います」と、日本代表にふさわしい覚悟を披歴し、旅立っていった。
撮影■浅野剛