「ここ数年、日本ではいろんな動物カフェが流行ってるみたいですけど、元祖はこのメヒコじゃないかと思うんですよね。なんたって1号店がいわき市にオープンしたのは、46年も前なんですよ」
ピンク色の羽を広げて自慢げに語るのは、動物を眺めながら食事ができるレストランとして有名な『メヒコ』(福島県いわき市)に勤務するフラミンゴ。
「当時のいわき市は、こう言っちゃ悪いけどまだまだ田舎で、家族で楽しめる施設がほとんどありませんでした。そこで創業者が『遊園地とレストランを一緒にしたらどうか!?』と思いついたというわけなんです」
看板メニューは、殻付きのカニがドーンと乗ったカニピラフ。
「毎日お客さんが押し寄せて、大変な人気ぶりでしたよ。え? そんな昔のことをどうして知ってるのかって? だって私、当時からメヒコの従業員ですから」
フラミンゴの寿命は50~60年。天敵がいない環境、万全の健康管理をしているここでは、まだ数羽の“初代社員”が現役バリバリで働いているのだ。現在、フラミンゴ館は全国に5店舗。動物園と違い、ガラス1枚隔てただけの至近距離で観察できるとあって、子供連れを中心に大人気だ。
「ガラス越しに目が合うと『わー、恐竜みたいな顔している!』って言うお子さんがいたりして、私たちも楽しいですね」
【プロフィール】
名前:フラミンゴたち ♂・♀
年齢:3歳~50歳
種類:ヨーロッパフラミンゴ・チリフラミンゴ
勤務先:メヒコ 郡山フラミンゴ館
職種:看板スタッフ。
主な仕事内容:店内中央にあるガラス張りの部屋で生活し、お客さまにその姿をごらんいただくこと。
お給料:フラミンゴ用フード。
好きなこと:水浴び。
嫌いなこと:大きな音と振動。だから地震が怖い…。
現在の悩み:ここは快適だけど、飛ぶには助走距離が足りないこと(フラミンゴが飛ぶためには50m以上の助走距離が必要)。
将来の夢:郡山店ではまだ雛が育ったことがないので、2世を!!
撮影■山口規子
※女性セブン2016年3月3日号