戦後70年の昨年、韓国では多数の反日映画やドラマが制作された。今年もその勢いは止まらず、韓国国民の「反日感情」を刺激する映像作品が続々と世に送り出される予定だ。在韓ジャーナリストの藤原修平氏がリポートする。
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昨年、韓国では日本統治時代の独立運動を描いた映画『暗殺』が観客動員数1270万人を超える大ヒットを記録した。これは韓国映画史上歴代7位の記録で、韓国国民の4人に1人が観た計算になる。同作品は1930年代の京城(現・ソウル)と上海が舞台。上海に樹立された「大韓民国臨時政府」による日本の要人、および親日派朝鮮人の暗殺計画を描いた「抗日活劇」で、中国でも公開され大きな話題となった。
反日感情が強く根付く韓国社会では、「抗日」をテーマにした映画やドラマが時代を問わず、幅広い世代に受け入れられている。ジャンルはさまざまだが、近年のトレンドは日本の植民地統治時代を背景にした作品だ。
昨年6月に公開された映画『京城学校:消えた少女たち』もそのひとつで、同作品のテーマは日本軍による“生体実験”だ。
舞台は日本統治下の京城にある全寮制の療養学校。重い病を患う朝鮮人少女たちは、ここで「治療」と称した新薬の投与を受ける。だが、これは日本軍による肉体改造の生体実験だった。何も知らずに薬を投与され続けた少女たちは、やがて超人的な肉体を手に入れ、日本軍の軍人と、日本に協力した学校関係者を次々と殺戮する。
実に荒唐無稽なストーリーだが、同作品のイ・ヘヨン監督は「日本軍が朝鮮半島で生体実験を行ったという記録があるわけではない」としながらも、「日本の植民地統治時代なら(生体実験が)あったとしてもおかしくはない」と発言。映画を旧日本軍の731部隊と関連付けて報じるメディアもあった。