ある程度、年をとったら耳が聞こえづらくなると思われがちだが、実際、加齢で聴力が低下するのは仕方がないことなのだろうか? 聴力回復の施術を行う整体師の今野清志さんはこう語る。
「たしかに老人性難聴は生理的変化といえますが、これには個人差があり、50代で聞こえづらいと感じる人もいれば、90才でもよく聞こえる人もいます。その違いに大きな影響を与えているのが生活習慣なのです」
また、耳鼻咽喉科医の松尾有希子さんは、耳のトラブルについてこう話す。
「寝たきりのお年寄りを診察するとたまりすぎた耳あかが原因で、難聴になっている人が実はとても多いんです。
日本人のうち8割は、耳あかが乾燥しているといわれており、日々の生活で、そのほとんどが自然に排出されています。ですが、耳あかが湿ったタイプの人は、とくにほうっておくとたまりやすいのです」(松尾さん・以下「」内同)
しかし、自分で耳掃除を行うことはトラブルのもとだと、松尾さんは言う。
「耳の中は脂肪がなく、皮膚のすぐ下に骨があります。ですから、少しの傷でも炎症が悪化しやすく、外耳道炎などの病気を引き起こします。なので、耳の掃除は家で行わず、耳鼻科で行うのがベストです」
耳あかがたまるのは、耳の入り口から1cm程度の部分まで。しかし、自分で耳掃除を行うことで、あかが耳の奥に押し込まれてたまってしまうことがある。
そうなると自分では取れず、場合によっては、奥で耳あかが、ろうのように固まってしまい、専用の点耳薬を使って溶かし出すしかないこともある。耳掃除は専門医で行う習慣を身につけて。
耳掃除の頻度は人それぞれだが、3か月から半年に1度で充分。歯科に歯のクリーニングに行くのと同じ感覚で、今年は耳のエクササイズと、耳鼻科での耳ケアを新習慣にしたいものだ。
※女性セブン2016年3月3日号