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猫の避妊・去勢 ストレス軽減と病気予防の効果もあり

 春の訪れとともに、外ではニャオーン、と甘えるように鳴き始める猫たち。これは、繁殖期を迎えた猫が発情している鳴き声。メス猫が腰を上げてオス猫を受け入れるような動作や、しきりに体をこすりつける仕草をすると発情のサイン。初めての発情は、メスが生後8~12か月、オスは生後6~10か月頃に起きるので、それまでに避妊、去勢手術をすることが推奨されている。東京猫医療センターの服部幸院長が、避妊・去勢手術の必要性とメリットを話す。

「猫の性的ストレスを軽減する以外に、メスの場合は望まない妊娠を防ぎ、卵巣や子宮の病気の予防にもなります。また、避妊手術をすればホルモンが分泌されなくなるので、乳がんの発生率も低くなります。オスの場合は、発情時に見られるスプレー行為(おしっこをまき散らす)を防ぎ、けんかも少なくなります」

 避妊手術にはいくつか方法がある。また、入院が必要な病院もあれば、日帰りできる病院もあり、病院によっては抜糸をしなくてもいいよう溶ける糸を使って縫う方法をとることもあるなど、手術スタイルは病院や医師によってさまざま。事前に調べて、猫に合った処置を選びたい。「All About」猫ガイドの岩田麻美子さんはこう説明する。

「猫にとって知らない場所に泊まるのはストレスになりますが、術後の様子を確認したいから入院が必要だと考える先生もいます。どちらが正解ということはありません。猫のことを第一に考え、わからないことがあれば医師にしっかり聞いて、納得して手術を受けさせてあげてください」

 では、避妊と去勢の種類をいくつか紹介しよう。ちなみに、手術は保険適用外だが、自治体によっては助成金が出ることもあるとのことなので、要チェック。

◆避妊と去勢の種類

【卵巣子宮摘出】
お腹を開いて、卵巣と子宮の両方を摘出。子宮がんなどの病気のリスクも軽減される。

【卵巣摘出】
卵巣のみ摘出。手術時間は短くなるが、卵巣細胞がまれに飛んで別の箇所で再生すると発情が起こる場合がある。

【卵管結さつ】
卵管を糸で縛り、卵子が子宮に届かないようにする手術。妊娠はしないが、卵巣が残っているので発情は起こる。

【精巣摘出】
睾丸を切って、精巣を摘出する。前立腺の病気や精巣の腫瘍などの病気を予防するメリットがある。

【パイプカット】
精巣は摘出せずに、精子が通る道を切断する。ホルモンは分泌されるので、病気のリスクは高くなる。

※女性セブン2016年3月3日号

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