淡い黄色の着物に割烹着姿の“若女将”は打ち水を終えると、店の軒先に暖簾をかけた。2月中旬のとある夜、都内の高級しゃぶしゃぶ店で開店準備をする“若女将”は、野々すみ花(28才)だった。
元宝塚・宙組のトップ娘役で、2012年に退団後は女優に転身。『あさが来た』(NHK)で演じる新次郎の三味線の師匠・美和役が色っぽいと評判に。あさと美和は恋敵だった時もあったが今は職業婦人同士、心を通わせ合う親友でもある。
テレビドラマ出演は今回が、ほぼ初めてという野々だが現在は出演依頼が殺到している。そんな彼女が、いったいなぜ…。
「いやいや、副業じゃありません(笑い)。実は野々さん、4月クールのドラマ『重版出来!』(TBS系)で、小料理屋の女将さんを演じることが決まっているそうです。その役作りのために、この店で“女将修業”してるんですよ」(テレビ局関係者)
確かに、店内でもテキパキ仕事はこなすものの料理や飲み物を運ぶ表情は少し硬い。本物の女将から「おしぼりはお客様の右側にね」と指導される一幕もあった。
「“練習しなくても、きれいな所作ができる女優さんもいるけど、私は不器用だから大変”って、野々さんはよく言ってます。実際、三味線も収録前から猛練習を積んだそうです。ドラマの経験が浅いというのもありますが、とにかく演技にストイック。どんな役も“日々勉強”なんです」(前出・テレビ局関係者)
しかしこの日、野々の緊張には別の理由もあった。宝塚の大先輩にあたる真矢ミキ(52才)が来店したのだ。
「真矢さんはこの店の常連。この日はお誕生日のお祝いも兼ねていたようです。“ミキちゃん、おめでとう”と書かれたチョコレートケーキが運び込まれていました。座敷から女将さんが“せっかくなんだから、すみ花ちゃんも一緒に写真撮りましょうよ”って声をかけたら、野々さんは、“私なんかが、いいんですか?”って恐縮しまくってましたよ」(居合わせた客)
プレッシャーの中で修業を積んだ野々は次作で、どんな“女将さんぶり”を見せてくれるのか。
※女性セブン2016年3月10日号