テレビの世界は華やかに映るが、決して放送されることの無い裏側では陰湿で狡猾ないじめが横行している。若手のお笑い芸人のように立場の弱い出演者は格好の標的にされるし、女子アナたちへのゲスないじめが行なわれている。芸能評論家の三杉武氏が言う。
「タテ社会のテレビ界には、昔から大御所による若手いじめは頻繁に行なわれていた。いまと違ってタレントがキャスティングに大きな影響力を持っていたからです」
かつて“視聴率男”として鳴らした島田紳助(59)は、こんな騒ぎを起こしている。2009年秋、TBS恒例のクイズ特番『オールスター感謝祭』の生放送中、若手お笑いトリオ・東京03の態度にキレた紳助がメンバー一人の胸ぐらをつかみ、「なめとんのか!」と吠えたのだ。
「今にも殴ろうとする紳助さんをスタッフが必死に止めました。その映像が一瞬だけ生放送中のテレビ画面に映ってしまい、後に大騒動になりました」(TBS関係者)
上下関係が絶対の芸能界だけに、そうした“指導”を“いじめ”ととらえるかどうかは人それぞれだろうが、今やそうしたイビリが芸風(?)になっているといわれるのが東西の「女帝」。
「彼女たちに共通して言えることは、その共演者を気に入れば、たとえ世間からバッシングされるようなことがあっても自分だけは味方になるという侠気(おとこぎ)を持っていますが、嫌いになるとバッサリ切り捨ててしまうんです」(スポーツ紙・芸能担当記者)
東の「女帝」と呼ばれる泉ピン子(68)は『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)で共演した野村真実(51)に不倫スキャンダルが浮上した際には「なんであんな娘のために番組が迷惑をこうむらなきゃならないのよ!」と言い放ったエピソードが有名。
「西のイビリ女王」は上沼恵美子(60)。関西のテレビ局関係者が戦々恐々とする。
「彼女の番組に出演して機嫌を損ねたゲストは二度と呼ばれなくなるだけではなく、番組中に“○○はもう呼ばない”とかボロクソです。何でも上沼さんは“嫌いな人リスト”を作って、番組スタッフに渡しているとか。
それでも関西では上沼さんの番組が桁違いに視聴率が高いし、気の合うゲストとのかけ合いは絶妙。ここまでくると“イビリ芸”と認めるしかないですよ(苦笑)」
※週刊ポスト2016年3月4日号