AKB48グループの高橋みなみや宮澤佐江、モーニング娘。’16の鈴木香音など、グループからの「卒業」を宣言するアイドルが続いています。最近では、年度が変わる春を前にしたアイドルの「卒業」発表は、季節の風物詩といえるほど繰り返し耳にするニュースとなっています。女性アイドルがその活動内容を変更するときにも使われる「卒業」について、地下アイドルでライターの姫乃たまさんが解説します。
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また別れの季節が近づいてきて、特に学生のアイドルを応援している人は、心なしか少しだけそわそわしているようです。進級、進学、就職など、私生活の転機をきっかけに、「卒業」するアイドルが多いからです。
地上(メジャー)のアイドルも、女優やタレントに転向したり、なんとなく年齢に制限を感じたりして、いつまでもアイドルでいようとすることは稀です。そして、主に女性アイドルが、グループから脱退したり、活動を辞めたりすることを「卒業」と呼びます。アイドルは基本的に途中経過の職業です。現在の女性アイドルは、人数も個性的な子も多く、学校のような雰囲気が増していますが、アイドルには“アイドルという名の学校”から卒業して、何かになっていく定めがあります。
地下アイドルを名乗る私も、インタビューでは決まって、「将来何になりたいですか?」と聞かれます。私は子どもではなくて、地下アイドルなのですが、つくづくこの仕事は最終地点でないことを痛感させられます。現にほとんどの地下アイドルが、ほかの職業へのとっかかりや、将来の目標を探す期間として活動しています。
アイドルの卒業と解散を粛々と伝える「Good bye, Idol」というアカウント名のツイッター(@goodbyeidol)を見ていると、毎日、いくつものさよならが流れてきます。アイドルの卒業、解散や脱退が、毎日どこかで行なわれているのは知っていましたが、きちんとまとまった情報で見ると、胸に迫るものがあります。世間には知られない、女の子達の決意や事情がそこにはあります。
先日も複数のアイドルが出演するライブに出演したら、全11組中、3組が引退ライブを控えていて(他の何組かもすでに解散、引退済みでこの日だけの出演)、改めて静かに驚きました。モーニング娘。’16や、AKB48メンバーの卒業が日々報道されていますが、地下アイドルはさらに卒業&解散&活動休止ラッシュです。SNSを利用して誰でもアイドルになれる前代未聞の状態が、大量に若い女の子を地下アイドル業界に流入させているからです。そして彼女たちの多くは事務所の縛りが緩い(もしくは所属してない)ことから、ライブで歌い終わった後に、突然「今日で引退しまーす!」と報告する人を何人か見たことがあります。
卒業にも、グループや事務所からの卒業と、業界からの卒業(引退)があります。