出番はさほど多くないものの印象深く、毎回、出番を心待ちにしてしまうNHK大河ドラマ『真田丸』の女性たち。戦に疲れた男たちを癒し、時には彼らを手のひらで操る彼女たちの行動や言動には、私たちにも役立つヒントがたくさんある。
そんな真田丸登場女性の「愛され術」に注目した。数々のドラマのノベライズを手掛けるライターの木俣冬さんが語る。
「これまでも『おんな太閤記』や『江~姫たちの戦国~』など、戦国時代を生き抜く女性を扱った大河ドラマは、数多くありました。彼女たちは動乱期を強く生き抜き、気丈に男たちを支えてきましたが、その振る舞いはやはり遠い時代の振る舞いでした。
しかし、『真田丸』に出てくる女性たちは、どこかあっけらかんとして、時には男たちに意見することもある。その姿は現代人にも通じ、共感できるからこそ、このドラマは人気なのかもしれません」
確かに戦国時代というと、生きるか死ぬか、毎日が戦場で、笑うことなどできなかったのではないかと思いがちだ。これに対し、チーフ・プロデューサーの屋敷陽太郎さんはこう言う。
「戦国時代に、あんなに明るく笑っているなんて、ありえない! というご指摘をいただくこともありますが、現代だって、例えば400年後の人たちから見たら、きっと“大変な時代だ”といわれると思うんです。
ですが、大変な時代だからといって、私たちが四六時中大変かというとそんなことはない。それと同じで、戦国の世は、命がけの大変な時代だったと思いますが、彼らとて、一日の中でクスッと笑える瞬間はあったはずです」
生きる時代は違えども、同じ女性。しかも主婦であり、家族とともに困難に立ち向かう。そんな彼女たちが愛される理由はどこにあるのか。ここでは2人の大人の女性を見ていこう。
真田信繁(堺雅人・42才)の祖母・とり(草笛光子・82才)は、武田信玄に認められていたという人物で、息子・昌幸(草刈正雄・63才)を名将に育て上げた肝っ玉母さんだ。