「サラリーマン川柳コンクール」の入選作品100句が2月17日に公開された。仕事上の不満や家庭内での嘆きを、哀愁漂う笑いに変え続けて今年で29回目。全国から3万9551句の応募があり、投票を経て5月にベスト10が決定する。
「サラリーマン川柳には当たり年があります。話題が多い年は面白いことが多い」(川柳作家・やすみりえ氏)というように、今年の作品は粒ぞろいだ。入選作が多かった題材が、今年1月から運用が開始されたマイナンバーだ。
【キミだけはオレのものだよ マイナンバー】(マイナ)
マイホームやマイカーは妻や子供に占拠され、唯一独占できるのは自分に割り当てられたマイナンバーだけ。ようやく“オレのもの”を見つけた喜びと、その裏にある悲しみがひしひしと伝わってくる。
今まで「その他大勢」扱いだった自分に割り当てられた喜びが次の句だ。
【球拾いだったオレにも 背番号(マイナンバー)】(ゲゲゲのタラちゃん)
自虐ネタと同じくお馴染みの恐妻ネタでマイナンバーを扱うと次のようになる。
【マイナンバー 国より厳しい妻管理】(我流)
マイナンバーによって個人の収入等が国に把握される形となるが、恐妻家はそんなことは意にも介さない。いわゆる「女の勘」で、時にマルサより鋭い査察能力を発揮する妻の方が怖い。
※週刊ポスト2016年3月11日号