訪日外国人観光客の増加に合わせて英語を学び直そうとする人が増えているという。外国人向けに無償のガイドを行っている東京フリーガイドで理事長や、英語教師として活躍する川本佐奈恵さんによると、応募者が増加し、独自の試験制度を取り入れるも、先着100人の受験枠が募集と同時に埋まるという。そんな川本さんに話を聞いた。
川本さんが英語を身につけるために使ったテキストはただ1つ、『NHKラジオ英会話』だ。
「テキストをたくさん買う人がいますが、最初は1冊に絞った方がいい。あれもこれもと手を広げると、心がポキンと折れてしまいますから」
月曜から土曜まで1日15分。今は、ラジオがなくてもネット環境があればパソコンやアプリで聞くことができる。
「聞いて、その英文をそっくり真似してください。それだけでいいんです。決して難しくないでしょ?」(川本さん)
まず、講座が始まる前にテキストをざっと読み、今日の内容をあらかた把握する。講座が始まったら録音し、ネイティブの発音をよく聞く。リズムとイントネーションが大事だからだ。
終わったら、その一部、20秒足らずの英会話文を一文ずつ再生して止めて、その英文を口に出して真似をするのだ。
「中でも特に覚えたい、喋りたい1文を見つけたら、それを100回唱えるんです。80回も唱えれば、覚えようとしなくても脳に残ります。
それにプラス20回唱えれば、今度は脳ではなく、口の筋肉が覚えてくれる。そうなればしめたもの。使いたい時にサッと口から出てくるし、抑揚ある発音も身につくはずです」
続けているうちに、ネイティブの話すスピードについても行けるようになるという。実は川本さんは、英会話講師になった今でもこの方法で学び続けている。
「私はもう25年やっていますからね。もっと自分の英語力を伸ばしたいという思いももちろんありますが、それ以上に、歯磨きと同じで、一度習慣化したら、それをしないと、なんか気持ち悪いんですよ(笑い)」
※女性セブン2016年3月17日号