春は出会いと別れの季節。進学や進級、就職や転職など、人生の節目を超えた友人と久しぶりに会ったら、なぜかキレイになっていた。そのうちの何人かは、ひょっとしたら美容整形にチャレンジしたのかもしれない。それというのも春はプチ整形も含む美容整形を試みる人が多いからだ。
『整形した女は幸せになっているのか』著者の北条かやさんは、「転機と天気の2つの条件が春はそろっている」から美容整形に取り組む人が増えるのだろうという。
「もともと、連休やお正月などまとまったお休みをとりやすい時期に美容整形をされる方が多いです。学生や年度替わりに転職される方にとって、春は長期休暇をとりやすい季節。環境が変わる『転機』のタイミングで2、3月に取り組む方が増えるのでしょう」
十仁美容整形が昨年、発表した来院患者数対月平均%によると、2014年2月の来院数は同年月平均値比148.8%、3月は127.9%。10代後半から20代前半の若い女性からの相談が増える時期と重なるとの分析もあわせて発表されていた。
「今ではプチ整形の範囲が広がり、脂肪吸引もメスを使用せず注射だけで可能になりましたが、施術後しばらくは腫れます。二重にするプチ整形でも同様に、美容整形にはダウンタイムという、施術による腫れなどが鎮まるまで待つ時間が必要です。また、施術後は日焼けを避けなくてはならないものもあります。春まだ早い時期であれば暑くても我慢して長袖を着るなど『天気』を気にしないでいられます」(前出・北条さん)
関西大学の谷本奈穂教授が2013年に実施した調査によると、美容整形や美容医療など何らかの美容的な医療措置を経験している人は女性だけでいえば8.6%、20人のうち1~2人にのぼっていた。しかし、彼女たちのほとんどは美容整形したことを誰にも言わない。
「美容整形をしたことは、プチ整形も含めて、告白しても得にならないので黙っています。初めての人にとっても、環境が変わるタイミングだと美容整形に踏み出しやすいでしょう。それに、告白しない限りプチ整形は気づかれないことが多いようです」(前出・北条さん)
美容整形クリニックのHPには「春の特別キャンペーン」などと銘打ち、新しい自分で新生活を迎えようと誘っているものが少なくない。韓国や中国のように、美容整形したことを告白するのが当たり前になる日も、遠くないのかもしれない。